東京急行電鉄前身会社 付随貨車 諸元
更新
東京急行電鉄成立前(1942年以前)の前身会社に在籍した付随貨車の諸元をまとめました。
本ページの表における単位
- 元資料において英トン(噸)で記載された自重はメートル法におけるメートルトンに換算し、小数以下第3位は四捨五入する。
- 積載重量と容積は英トン=メートルトンと見なして換算を行わない。
-
元資料においてヤードポンド法におけるフィート、インチで記載された長さはメートル法に換算し、小数点以下は四捨五入する。ただしメートル法移行後の図面で1の位が丸められている場合や小数点以下を切り捨てている場合はそれに従う。
- 例:ト1形の車体長さはヤードポンド法時代の車両竣功図表では
19′‐4½″
であり、換算すると 5,906mm となるが、メートル法移行後に書き直された図面では5910
とあるため、後者の値を採用している。 - 目蒲ト21形および玉川1–20 はメートル法移行後の図面が確認できないため、1の位の丸めをせず小数点以下を四捨五入する。
- 例:ト1形の車体長さはヤードポンド法時代の車両竣功図表では
目黒蒲田電鉄、東京横浜電鉄
特記を除きの一斉改番(鉄道省貨車のム・ラ・サ・キ記号導入に伴う大改番にあわせたもの)時点のデータ
| 車種 | 車号 | 所属 | 前歴 | 製造 | ブレーキ | 連結器 | 側板 | 自重 | 積載 | 最大寸法 | 緩衝器高さ | 足まわり | 備考 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| メーカー | 時期 | 重量 | 容積 | 長さ | 幅 | 高さ | 空車 | 満載 | 固定軸距 | 車輪径 | |||||||||
| ト1形 | 1–2 | 目蒲 | ― | 汽車製造 | 車側 | 螺旋連環 | 3枚側 | 4.06t | 10t[注1] | 7t[注2] | 5,910mm | 2,200mm | 1,660mm | 890mm | 865mm | 2,440mm | 840mm | ||
| ト11形 | 11–12 | 車側、手用 | 螺旋連環 | 3枚側 | 4.06t | 10t[注3] | 7t[注4] | 5,910mm | 2,200mm | 2,300mm[注5] | 890mm | 860mm | 2,440mm | 840mm | ト1形からの改造 | ||||
| ト15形 | 15–18 | 目蒲 | ― | 汽車製造 | 車側、手用 | 自動 | 3枚側 | 5.59t | 10t | 8t | 5,820mm[注6] | 2,340mm | 2,280mm | 880mm[注7] | 850mm[注8] | 2,440mm | 860mm | ||
| ト5形 | 5–6 | 目蒲 | 上州鉄道 | ? | ? | 車側 | 螺旋連環 | 3枚側 | 4.06t | 9t | 7t | 5,560mm | 2,210mm | 1,780mm | 890mm | 850mm | 2,740mm | 840mm | |
| ト21形 | 21–25 | 目蒲 | 播丹鉄道 | 東洋車輌 | 車側、手用 | 自動 | 4枚側 | 5.79t | 12t | 9t | 5,982mm | 2,540mm | 2,438mm[注9] | 876mm[注10] | 850mm[注11] | 3,048mm | 838mm | メートル法換算の丸めなし | |
| ト31形 | 31–35 | 目蒲 | ― | 日本車輌 | 車側、手用 | 自動 | 3枚側 | 5.20t[注12] | 10t | 8t | 5,820mm | 2,360mm | 2,490mm | 880mm | 855mm | 2,440mm | 860mm | ||
| ト41形 | 41–70 | 東横 | ― | 日本車輌 | 車側、手用 | 自動 | 3枚側 | 5.20t[注13] | 10t | 8t | 5,820mm | 2,360mm | 2,490mm | 880mm | 855mm | 2,740mm | 860mm | ||
| トム81形 | 81–90 | 東横 | ― | 日本車輌 | 車側、手用 | 自動 | 5枚側 | 7.73t[注14] | 15t | 13t | 7,832mm | 2,452mm | 2,590mm | 883mm | 864mm | 3,900mm | 864mm | ||
| 91–100 | 東横 | ― | 東洋車輌 | ||||||||||||||||
ト5形譲受前の前歴と諸元
ト5形は目黒蒲田電鉄では2両とも同じ諸元とされていますが、まったく異なる出自を持っていました。官設鉄道や日本鉄道時代の諸元を見ると、上州鉄道からの譲受車であることには疑いの余地があるほどの違いがあることが分かります。
- 官設鉄道ト8グループ → 官設鉄道ト9115形9141号 → 中原鉄道(のち上州鉄道)ト1号 → 目黒蒲田電鉄ト5形
- 日本鉄道乙31号形 → 国有鉄道ト9183形9187号 → 中原鉄道(のち上州鉄道)ト2号 → 目黒蒲田電鉄ト5形
| 車種、車号 | 製造 | ブレーキ | 連結器 | 側板 | 自重 | 積載 | 最大寸法 | 緩衝器高さ | 足まわり | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| メーカー | 時期 | 重量 | 容積 | 長さ | 幅 | 高さ | 空車 | 満載 | 固定軸距 | 車輪径 | |||||
| 鉄道作業局ト8グループ(時点) | 4枚側 | 3t17c0q | 6t | 17′‐10″ | 7′‐0″ | 6′‐0″ | 2′‐10″ | 8′‐0″ | |||||||
| 鉄道院ト9115形(時点) | イギリス、新橋工場、神戸工場 | 4枚側 | 3.85噸 | 6噸 | 614立方呎 | 17′‐10″ | 6′‐0″ | 2′‐10″ | 2′‐9″ | 8′‐0″ | 2′‐10″ | ||||
| 鉄道院ト9115形(時点) | イギリス、新橋工場、神戸工場 | ~ | 車側 | 4枚側 | 3.61噸ないし4.62噸 | 5噸ないし8噸 | 6噸 | 17′‐10″ | 6′‐0″ | 2′‐10″ | 2′‐9″ | 8′‐0″ | 2′‐10″ | ||
| 中原鉄道ト1号(時点) | 4.31屯 | 9屯 | 7屯 | 17′‐10″ | 8′‐0″ | ||||||||||
| 日本鉄道乙31号形(時点) | 新橋工場 | 真空、車側 | 螺旋連環 | 3枚側 | 3噸11本 | 5噸 | 618立方呎 | 18′‐0″ | 7′‐5″ | 5′‐6½″ | 2′‐11″ | 2′‐10″ | 9′‐0″ | 2′‐10″ | |
| 鉄道院ト9183形(時点) | 新橋工場 | 真空、車側 | 3枚側 | 3.55噸 | 5噸 | 617立方呎 | 18′‐0″ | 7′‐5″ | 5′‐6½″ | 2′‐11″ | 2′‐10″ | 9′‐0″ | 2′‐10″ | ||
| 鉄道院ト9183形(時点) | 新橋工場 | ~ | 車側 | 3枚側 | 3.55噸ないし3.77噸 | 5噸ないし8噸 | 6噸 | 18′‐0″ | 7′‐5″ | 5′‐6½″ | 2′‐11″ | 2′‐10″ | 9′‐0″ | 2′‐10″ | |
| 中原鉄道ト2号(時点) | 3.84屯 | 9屯 | 7屯 | 18′‐0″ | 9′‐0″ | ||||||||||
| 目黒蒲田電鉄ト5形(時点) | 不明 | 不明 | 車側 | 螺旋連環 | 3枚側 | 4噸 | 9噸 | 7噸/676立方呎 | 18′‐3″ | 7′‐3″ | 5′‐10″ | 2′‐11″ | 2′‐9½″ | 9′‐0″ | 2′‐9″ |
- 本表のみ各種単位は原資料のまま表記する。
- 官設鉄道、日本鉄道ともより前の形式称号は不明。
- 空欄は原資料に記載がないもの、
不明
は原資料で不明
と明記されているもの。
池上電気鉄道
付随貨車の在籍なし
玉川電気鉄道
参考文献
-
経済時報
No.61
高橋鐵工塲の製作事業に就て
p.17
-
東京府文書
玉川電気鉄道
玉発第47号
車輌構造認可願 (
www.archives.metro.tokyo.lg.jp) -
鉄道省文書
中原鉄道
発第3号
貨車使用認可申請
-
鉄道省文書
目黒蒲田電鉄
車両購入許可申請書
-
鉄道省文書
目黒蒲田電鉄
目電第280号
貨車購入認可申請書
-
鉄道省文書
目黒蒲田電鉄
目電第122号
貨車購入認可申請書
-
鉄道省文書
東京横浜電鉄
庶第414号
貨車購入認可申請書
-
鉄道省文書
目黒蒲田電鉄
目電第165号
車両設計変更認可申請書
-
鉄道省文書
目黒蒲田電鉄
目電第171号
車両設計変更許可申請書
-
鉄道省文書
目黒蒲田電鉄
目電第32号
車両設計変更許可申請書
-
鉄道省文書
東京横浜電鉄
東横寅第990号
貨車購入認可申請書
-
鉄道省文書
目黒蒲田電鉄
目電第398号
付随貨車設計変更認可申請書
-
鉄道省文書
目黒蒲田電鉄
目電巳第265号
-
鉄道省文書
東京横浜電鉄
東横巳第200号
-
鉄道省文書
目黒蒲田電鉄
目電巳第1908号
非直通貨車標記書替報告
-
鉄道省文書
東京横浜電鉄
東横巳第2360号
非直通貨車標記書替報告
-
鉄道省文書
目黒蒲田電鉄
目電亥第724号
貨車廃止届
-
貨車形式図 下巻
無蓋貨車 形式稱號ト9115
p.260
(オリジナル版は発行)
-
貨車形式図 下巻
無蓋貨車 形式稱號ト9183
p.262
(オリジナル版は発行)
-
復刻 貨車略図 下巻
無蓋貨車 形式稱號ト9115
p.219
(オリジナル版は発行)
-
復刻 貨車略図 下巻
無蓋貨車 形式稱號ト9183
p.221
(オリジナル版は発行)
-
日本鉄道客車略図・貨車略図
貨車略図 – 無蓋貨車 形式稱號乙第参拾壹號
p.31
(オリジナル版は発行)
- 鉄道史料 1991年8月号 No.63 官設鉄道貨車資料 Type of Wagon pp.1–10
-
東急電車形式集.1
pp.74–77
-
東急電車形式集.2
pp.134–138
-
東急電車形式集.3
p.142
注釈
-
1.
製造時は 7t、重量が変更されたのは。もともと 10t 積みとして設計されていたため寸法変更はない。 ↩ 戻る
-
2.
製造時は 6t、容積が変更されたのは。もともと 10t 積みとして設計されていたため寸法変更はない。 ↩ 戻る
-
3.
製造時は 7t、重量が変更されたのは。もともと 10t 積みとして設計されていたため寸法変更はない。 ↩ 戻る
-
4.
製造時は 6t、容積が変更されたのは。もともと 10t 積みとして設計されていたため寸法変更はない。 ↩ 戻る
-
5.
車両竣功図表では手用ブレーキを含まない値(1,660mm)になっている。 ↩ 戻る
- 6.
- 7.
-
8.
製造時の値は不明。 ↩ 戻る
-
9.
譲受認可当初は手用ブレーキなしのため 1,902mm。 ↩ 戻る
- 10.
-
11.
譲受認可当初の値は不明。 ↩ 戻る
-
12.
製造時の認可申請書や車両竣功図表では 5.08t とされているが、の貨車標記変更報告
では 5.20t となっている。
↩ 戻る
-
13.
製造時の認可申請書や車両竣功図表では 5.08t とされているが、の貨車標記変更報告
では 5.20t となっている。
↩ 戻る
-
14.
製造時の認可申請書では 7.57t とされているが、後の車両竣功図表やの貨車標記変更報告
では 7.73t となっている。
↩ 戻る
-
15.
少なくとも一部車両は高橋鐵工場製なのだが、全20両が同社製であるかどうかは不明。 ↩ 戻る
-
16.
両端に設けられた簡易屋根を含んだ高さ。後年は屋根を撤去した車両も多い。 ↩ 戻る