上田電鉄クハ7555引退で最後の50kVA-SIV消滅

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やや旧聞ですが、2018年5月12日をもって上田電鉄7200系のうち最後まで残っていたモハ7255、クハ7555が引退したようですね。

元・東急7200系自体は大井川鐵道、豊橋鉄道、総合車両製作所で引き続き活躍していますが、上田電鉄からの引退に伴い、見られなくなってしまったのがクハ7500形に積まれていた冷房用電源の50kVA-SIVです。

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写真1:50kVA-SIVのBS-477型(クハ7555、2005年3月撮影)
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写真2:50kVA-SIVの起動装置JP-76型(クハ7554、2008年1月撮影)
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写真3:50kVA-SIVのリアクトルトランス箱BS-153型(クハ7554、2008年1月撮影)
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写真4:上田電鉄クハ7500形の山側床下配置(クハ7555、2005年3月撮影)
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写真5:上田電鉄クハ7500形の海側床下配置(クハ7551、2005年4月撮影)

東急電車の冷房電源は、当初は140kVA-MGが使用されていましたが、インバータ回路に使用する電圧を架線電圧から降下させる際にチョッパを使用したチョッパインバータが開発され、8029Fでの試験を経て1976(昭和51)年に170kVA-SIVが登場、サハ8900形の7-2次車から搭載されました。このSIVは1990(平成2)年~1996(平成8)年にかけてINV-029型およびINV-095型に置き換えられ、消滅しています。

続いて1980(昭和55)年に登場したのが今回の主題である50kVA-SIVで、入力回路にGTOサイリスタを使用した直列分圧形となりました。インバータを直接架線電圧に接続して従来のチョッパ部を省略したことで重量や騒音の低減が図られており、サハ8300形の一部とクハ8090形下り向き偶数車のうち12-1次車~13次車(すなわち8092, 8094, 8096)に搭載されました。

冷却方式は密閉式の自然冷却であり、冷却フィンを設置した後のGTOタイプと比べると、前面が3枚の蓋で密閉されており外観上の特徴となっていることにも注目したいところです。

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写真6:冷却フィンを搭載したGTO-SIV(クハ8097、2009年3月撮影)

当初搭載されたサハ8300形、クハ8090形は、後に改造や編成替えによりいずれもSIVが撤去されましたが、50kVA-SIVは7200系冷房改造車の一部や7000系水間鉄道譲渡車(デハ7150形)などに転用されました。

2000年に目蒲線で活躍していた7200系旅客車が引退した後は、唯一デヤ7200のみが東急で最後の搭載車となっていましたが、これも新車導入により2012年に引退。豊橋鉄道1800系や水間鉄道7000系も換装が行われたため、上田電鉄クハ7500形が最後の搭載車となっていた次第です。

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写真7:上田電鉄クハ7500形の形式写真(クハ7554、2008年1月撮影)

さて引退後のモハ7255、クハ7555ですが、中塩田で解体かと思いきや、なんと8月15日に等々力競技場でのイベント「川崎の車窓から2018」で展示されるようですね。2両ともなのか、どちらか1両だけなのかなど詳細は分かりませんが、2013年のデヤ7200展示と同じような状況であれば、床下機器をじっくり観察できるチャンスかもしれません。