HSC 電磁直通ブレーキ
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1966年に登場した旧8000系の特徴の一つに全電気指令ブレーキの採用が挙げられます。従来の空気指令式と比べて、空気管が元空気だめ管1本のみとなり保守の省力化が図れるとともに、ワンハンドルマスコン採用の決定打ともなりました。一方、旧6000系から7200系で採用されていた HSC(High Speed Control)ブレーキは、車両の廃車や改造とともに数を減らしており、現在ではわずか2両が残るのみとなっています。
ブレーキ制御装置
HSC-R最後の採用となった7200系も、2000年の目蒲線分断とともに大多数が東急を去り、現在では検測や入換などに使用されるデヤ7200、デヤ7290、サヤ7590の3両を残すのみとなっています。このうち1997年に新製されたサヤ7590は電気指令車なため、空気指令式は2両のみです。
ブレーキ制御装置はHD23型で、左下には7000系までのA動作弁に代わって取り付けられたM非常弁があります。これは保守軽減のため、自動ブレーキの作用を非常ブレーキ(EB)のみとしたものです。
なお、1987年に旧7000系を改造した7700系が登場しましたが、3次車までは既存のHSCブレーキのままワンハンドルマスコン化されたため、常用帯の自動ブレーキが廃止され、A動作弁をM非常弁に交換されていました。後に4次車以降に合わせて電気指令化が成されています。
空気管
山側に配される引通し空気管は、元空気だめ管(MRP)、ブレーキ管(BP)、直通管(SAP)の3本あり、それぞれコック部分が白、赤、緑に塗り分けられています。
前述のとおり、空気指令車はデヤ7200とデヤ7290の2両のみとなってしまったため、すべての空気管が連結された様子は、両車が2連を組んだ時にしか見ることができません。
ちなみに、BP(赤)とSAP(緑)の間にあるジャンパ連結器は低圧27芯のYL3-27型で、7200系と7600系のみが装備する珍しいタイプです。
7200系アルミ車
現存する7200系空気指令車2両は、アルミ試作車として1967年に製造された2次車です。1991年には両運転台化などの改造が成され、動力車(デハ7200)および電気検測車(デヤ7290)として派手な塗装を施されました。なお、デハ7200は1996年にデヤ7200に改称されています。
写真は、池上、多摩川線所属車の車輪削正回送のため編成両端に連結された様子です。一時期、削正作業を元住吉検車区で行っていたことがあり、目黒線を走行するシーンを捉えたものです。
弘南鉄道の4両編成
元7000系が活躍する青森県の弘南鉄道弘南線では、休校日を除く平日朝の1往復(黒石駅7時20分発)のみ4両編成での運転となっており、黒石駅で車両の増解結が行われます。日常的にみられる空気指令車同士の連結・解放作業としては唯一のものです。