空気圧縮機

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東急電鉄の車両に搭載されている空気圧縮機のバリエーションを紹介します。

  1. 可とう継手式
  2. 可とう継手式(フレームレス)
  3. スプライン軸継手式
圧縮機電動機現在の搭載車両
形式シリンダ配列変位容量形式電圧
HB-2000水平対向4気筒約2000l/minCM2015DC1500V8500系・8090系(17次車以前)
HS-20(直流電動機)水平対向4気筒約2000l/minD1215DC1500V7600系、7700系、8500系(18次車以降)、1000N系など
HS-20(誘導電動機)水平対向4気筒約2000l/minA1544AC440V9000系、1000系(N、N′除く)、2000系
HS-10水平対向4気筒約1000l/minD6515DC1500V1000N′系
HS-5(直流電動機)V型2気筒約600l/minD3360DC600V旧デハ70形→300系
HS-5(誘導電動機)V型2気筒約610l/min?AC440VY000系
C2500水平直列3気筒約2500l/minA1744AC440V新3000系

可とう継手式

HB-2000

DC1500V、容量約2000l/min

写真拡大デハ8879(15次車)海側

電動機と圧縮機をゴム可とう継手で繋ぎ、高圧・低圧それぞれ2つのシリンダを対向に配しています。この基本構造は、7200系に搭載されていたHB-1500型と同様ですが、容積や出力がアップされています。

電動機は神鋼電機(現在のシンフォニアテクノロジー)製ですが、以前は日立製作所製も存在し、性能は同一ながら点検蓋の形状などに差異がみられました。

8000系グループのうち17次車以前に搭載されています。

HB-2000(吊枠のみ)

DC1500V、容量約2000l/min(電動機搭載当時)

写真拡大デハ8881(15次車)海側

田園都市線8500系(10両編成)は、一部編成を除き6号車のCPを撤去して1編成あたりの台数を3機に抑えていますが、一部の撤去車は吊枠のみ残されています。また、CP撤去後に改めて吊枠を設置された車両も存在します。

可とう継手式(フレームレス)

HS-20(直流電動機)

DC1500V、容量約2000l/min

写真拡大デハ8641(18-2次車)海側

低騒音、小型軽量化、低振動化を図るために開発された機種で、弁部から発生する音を軽減したり、フレーム構造を廃して圧縮機と電動機を直結することにより、HB-2000型と比較して重量37%減、騒音値11%減を達成しています[1]

搭載車は8000系18次車以降、7600系、クハ7900形、および1000N系。7700系は、3連化時にデハ7800形にも搭載されたほか、デハ7815、デヤ7200、デヤ7290もこのタイプに換装されました。

HS-20(誘導電動機)

AC440V、容量約2000l/min

写真拡大クハ9101(1次車)海側

こちらは交流駆動の電動機を装備したタイプで、SIVから出力された三相交流が直接供給されます。隣接して起動装置(写真)を備えますが、9000系3次車以降の起動装置(写真)は小型化されています。

搭載車は9000系、1000系(N、N′除く)および2000系で、改造当初はHB-1500型を搭載していたクハ7915もこれに換装されました。

2013年まで、クハ9010にはSIM電動機のタイプが搭載されていました。

HS-10

DC1500V、容量約1000l/min

写真拡大デハ1223(4次車)海側

HS-20型を元に開発された小容量タイプで、全体的にコンパクトになり、ちりこしが横向きに配されるなど印象も異なります。

東急電鉄では1000N′系に搭載されていますが、1000N系(登場時)と同様、編成内のSIVが1機なため、電動機は架線給電の直流駆動式とされました。

スプライン軸継手式

HS-5(直流電動機)

DC600V、容量600l/min

写真拡大デハ310B(2次車)山側

HS-20型、HS-10型に続き路面電車など小型車両用に開発されたもので、重量はHS-20型の半分以下となっています。

ギヤ式のDH型を搭載していた世田谷線の旧デハ70形は、昭和60年代にCP更新が行われ、このHS-5型へ交換されました。70形の廃車後は300系に転用され、三軒茶屋向きのB車に2機が搭載されています。

HS-5(誘導電動機)

AC440V、容量610l/min

写真拡大クハY002(2次車)海側

HS-5型の交流駆動タイプで、こどもの国線用のY000系に搭載されています。

本体は枕木方向に配されているため2気筒である様子がよく分かります。

右隣に起動装置(写真)を備えています。

C2500

AC440V、容量約2500l/min

写真拡大サハ3510(2次車)海側

新3000系に搭載。

シリンダがHS-20型などの対向4気筒から直列3気筒となり、ちりこしの右側に低圧2、高圧1が一列に並んだ形状が特徴です。

左隣に起動装置(写真)を備えています。

[1]ナブコ技報No57(1984年1月号) 「低騒音空気圧縮機の開発」 小椋 聡

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