コミックマーケット97 4日目 鉄道本

公開日:

C97、今回はフリー入場になった後もリストバンドが必要だったり、ホール入場時の手荷物検査をしっかり行っていたり[1]と、C96と違う点がいくつか見られました。

鉄道ジャンルのある最終日の4日目は、午前中に別件があったため会場到着は13:30頃。すでに入場待機列もなく、手荷物検査はあれどホール入りはすんなりできました。

西あ13b Thousand_island「東急1000系資料集 growth ring」

東急1000系について詳細に書かれた本で、1年前のC95で頒布された「light trail of thousand」を内容増強したもの……らしいのですが、なんとサークルスペースに着いた目の前で完売札が貼られてしまいました。再販に期待です。

西あ14b 東横商会「よろよろなななな」

養老鉄道に譲渡された7700系の形態解説本で、夏コミ(C96)で頒布された「ななななよろよろ」のアップデート版。

前号と比較して、車両動向としては

  • TQ05編成(7705-7905)の営業開始
  • TQ01編成(7701-7901)の塩浜入場
  • TQ14編成(7714-7814-7914)の塩浜出場

という変化がありますが、いずれも現地で調査されており、その行動力には脱帽させられます。

私はTQ05編成やTQ14編成の改造後の様子を自身の目ではまだ見られていないのですが、どうやらTQ05編成は床下機器の一部やクーラーキセが灰色に塗装され、TQ14編成はク7914の補助電源装置が換装されるなど、興味深い変化があるようですね。

西う18b Trainoir「駅構内・車内英語放送事例解説BOOK Vol.1 ~北海道・東日本編~」

本の表紙と奥付で書名が異なっているのですが、おそらく表紙の方が正しいものと判断します。

書泉グランデ6Fやコミケットの鉄道島に並んだ力作の数々を見ていると、車両、駅施設、時刻表、走行音、前面展望、駅弁など鉄道趣味の幅の広さに驚かされますが、それでも「自動放送」に興味を持つ人はまだ少ないように感じます。しかし、当初は次駅案内が主だった自動放送も、昨今ではマナー放送や外国語放送が充実しており、一方で趣味的観点からはすべてのバリエーションを調査するのが困難になってきたり、外国語の文法の妥当性で議論が起こったりと、苦労もありますがそういうのも含めて鉄道趣味の愉しさが増えたといえる状況と思います。

そんな中、島中で見かけて飛びついたのがこの本。関東以北のJR、私鉄の英語放送を抜粋紹介したもので、同じような内容でもその言い回しは事業者によって異なることが分かります。また、京成や京急で行われている空港の案内、北越急行の美佐島駅におけるホーム立ち入り禁止の放送など、その路線ならではの珍しい放送も紹介されています。

一方、私自身、自動放送を10年以上調査している身で感じるのは、放送内容はダイヤ改正や車両更新とは無関係のタイミングで人知れず変更されることもあり、「その放送が流れた時期」を後から特定するのは困難な場合が多いということです。また、路線によっては列車の時間帯や季節によって放送内容が変わることもあります。その観点から言うと、本書で紹介されている放送に収録日や車種のデータが記載されていないのは残念に思いました。編集後記で取材済みのデータの数が非常に多くと書かれていることから、発行直前にまとめて調査されたのではなく、何年も前から収録を繰り返していたものと推測されますが、そうであるなら掲載されたデータは2019年12月時点の最新状況を反映しているとは限りません。列車写真に撮影日や撮影区間が書かれるのが一般的であるのと同様に、自動放送を紹介するにあたっても収録日と車種くらいは掲載して欲しかったなあと思いました。

いずれにしても今後西日本編を作られる構想もあるようで、本書のような存在をきっかけに自動放送に興味を持つ方が増えてくれることも期待します。

西う30a Yukigaya-8「雪が谷検車区全車調査簿2019」

2014年の冬コミ(C87)で頒布された「東急1000系列ワンマン車データブック」のアップデート版。

本書の最大の特徴は、コピー用紙ホチキス留めの文字どおり「薄い本」でありながら、その中身は固定棒連結器の個体番号や消火器のバリエーションなど、唯一無二といえる濃い調査結果が掲載されていることです。前作では1000系だけだったものが、本誌では7000系も含んだ調査が行われており、2019年時点の池多摩線車両の貴重な資料といえるでしょう。

諸元表や本文を読んでいていくつか気になった点を以下にまとめます。

  • p.4: デハ1200形、クハ1000形の電動空気圧縮機(HS-10型、HS-20型)が三相交流かご式 誘導電動機 DC100Vと書かれていますが、正しくは直流電動機で電圧は1500Vです。
  • p.8: クハ1500形の電動空気圧縮機(HS-10型)が三相交流かご式 誘導電動機 DC100Vと書かれていますが、正しくは直流電動機で電圧は1500Vです。
  • p.9: 東横線所属の車輌から改造したため,蒲田方先頭車のクハ1700形は雪が谷検車区所属の1000系列電車としてはの部分、車両の所属が路線名だったり車庫名だったりとブレが見られるのが気になりました。
  • p.13: 7000系についてATC装置を搭載するため,東急線の鉄道線全区間への乗り入れが可能となっている.と書かれていますが、田園都市線地下区間(渋谷―二子玉川間)の保安装置にも対応しているのでしょうか? 運転台コンソール右側に置かれた列車無線制御器周りを見ると、田園都市線所属車には存在する非常発報ボタンが見当たらないので(準備スペースらしきものは存在する)、本当に渋谷まで乗り入れできるのか疑問です。
  • [1]ここ数回のコミケでもチェックを行うという告知はあったはずですが、自分はたまたまなのか検査なしで入っており、今回初めて手荷物検査に遭遇しました。