「季刊エス」の久米田作品記事と「新房昭之×シャフト クロニクル」の掲載内容比較

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昨年のことですが、復刊ドットコムより書籍「新房昭之×シャフト クロニクル」が発売されました。雑誌「季刊エス」に掲載された、シャフト制作・新房昭之監督作品のインタビュー記事をまとめた本です。

「季刊エス」のインタビュー記事といえば、インタビューそのものだけでなく漫画のネーム、アニメの絵コンテや原画などの資料も掲載されることが多く、そういう意味でも貴重な資料なのですが、「クロニクル」での再録に際し、これらの資料はより大きく掲載されており、資料中の細かいメモ書きなども見やすくなっているのは嬉しいところです。

一方、誌面スペースの都合や作業上のミスにより、「季刊エス」に掲載されていながら「クロニクル」へ収録されていないものも複数存在することが分かりました。ここでは、久米田康治作品に関してその差分情報を書き記しておきます。

「季刊エス」の久米田作品掲載一覧

まずは、これまでの「季刊エス」に掲載された記事一覧をまとめます。「クロニクル」は書籍名のとおり、シャフトアニメに関するものしか収録していないため、『新装版 かってに改蔵』や『せっかち伯爵と時間どろぼう』など漫画作品のみに関するインタビュー記事はそもそも収録されていません。

号数作品インタビューイクロニクル掲載
Vol.18・2007年春号(4月号)(Amazon)さよなら絶望先生久米田康治✘ 掲載なし
Vol.20・2007年秋号(10月号)(Amazon)さよなら絶望先生久米田康治、新房昭之✔ 掲載あり
Vol.22・2008年春号(4月号)(Amazon)【俗・】さよなら絶望先生久米田康治&新房昭之&龍輪直征&宮本幸裕✔ 掲載あり
Vol.28・2009年秋号(10月号)(Amazon)【懺・】さよなら絶望先生久米田康治&新房昭之✔ 掲載あり
Vol.32・2010年秋号(10月号)(Amazon)新装版 かってに改蔵(画業20周年記念)久米田康治✘ 掲載なし
Vol.35・2011年夏号(7月号)(Amazon)かってに改蔵久米田康治&新房昭之&龍輪直征&高山カツヒコ✔ 掲載あり
Vol.40・2012年秋号(10月号)(Amazon)さよなら絶望先生(連載完結記念)久米田康治✘ 掲載なし
Vol.46・2014年春号(4月号)(Amazon)せっかち伯爵と時間どろぼう久米田康治✘ 掲載なし
Vol.55・2016年秋号(10月号)(Amazon)かくしごと久米田康治✘ 掲載なし

「季刊エス」と「クロニクル」の掲載差異

次に、「クロニクル」に記事が再録されていながら原画等の掲載資料に差異があるものを記します。

ここでは掲載サイズの違いだけのものは除外しています。また、漫画のコマやアニメキャプチャーについては、差分が多くすべて列挙すると膨大になること、そもそも原画等と異なりコミックや Blu-ray 映像でいつでも見られるもので資料としての重要性が低いことから割愛しています。

Vol.20 さよなら絶望先生

  • pp.82-83: 扉絵、第十集表紙イラストが未収録。
  • p.87: 「温泉に飛び込む可符香」の原画のうち、 A8 ~ A10 が未収録(「クロニクル」の p.20 では A7 が4枚掲載されており、明らかに編集ミスである)。

Vol.28 【懺・】さよなら絶望先生

  • 『OAD【獄・】さよなら絶望先生・下』における「一本昔ばなし」の望登場シーンの絵コンテは、「季刊エス」ではパンアップのカット(コードギ○ス風の制服)の部分掲載だったが、「クロニクル」では絵コンテページの全体が掲載された。
  • 第17集、第18集単行本表紙イラストの下絵、線画、3パターンのデザインが未収録。

このほか、インタビューのテキスト内容に関しても一部変更されている箇所があることを確認しています。例えば、 Vol.35 のアニメ『かってに改蔵』では、冒頭のインタビュアーの挨拶に対して「ありがとうございます。」と返答しているのが「クロニクル」では久米田先生のみに変更されています。話の本筋に関わる増減はないと思いたいのですが、全文をチェックしたわけではないので詳細は不明です。

いずれにしても、細かく見れば「季刊エス」にしか掲載されていないものが複数あるわけで、本棚を空けることは難しいという結論でした。