一部区間で次駅案内を行わない目黒線の自動放送

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東急電鉄では全線で列車の自動放送が導入されていますが、9000系での導入当初は次駅名と乗り換え案内、常設のマナー放送のみで、列車によってホームの開扉方向が異なるケースや緩急接続の案内、季節によって異なる運動放送などは車掌の肉声案内で補完されていました。

ところがワンマン列車ではそういうわけにもいかないので、きめ細やかな設定ができるようになっており、異常時を除き運転士による肉声放送は不要な形になっています[1]。とくに目黒線では地下鉄との相互直通運転で行先バリエーションも豊富な中、急行運転開始による緩急接続が発生したり、一部列車は武蔵小杉駅における東横特急との接続案内を行うようになるなど、年々その複雑性は増しています。2022年度(予定)に相鉄・東急直通線(www.tokyu.co.jp)が開通すればさらに複雑なものになるでしょう。

また、一般の利用者はほとんど意識しないかもしれませんが、自動放送を研究するファンの視点からすると、車種によって放送内容が微妙に異なる点も見逃せません。

さて、現在の目黒線列車の自動放送は2018年頃に更新されたものです。普通、急行の上下列車をようやく収録できたので、下記ページで放送フレーズをまとめました。

ウェブページで公開しているのはこの4パターンのみですが、実際にはさらに車種別の調査も行っており、その中でどういうわけか一部の区間において、車種によっては次駅名を伝えない状況になっていることが分かりました。すなわち「次は○○」という案内が行われないケースがあるということです。

昨今ではドア上の案内装置でも情報が伝えられていますし、乗客は各々のスマートフォンで現在位置を把握することも容易な状況であるとはいえ、例えば指先を動かすのも難しい満員列車において、ドア上の案内表示を見ることができない背の低い方や視覚障害者は「次の停車駅がどこなのか(今列車はどこを走っているのか)」というもっとも基本的な情報を知ることが困難ではないかと思うのですが、東急電鉄がどういう理由で次駅案内を省略しているのか気になるところです。

その具体例ですが、私の知る限り下記の2例を確認しています。

  • 上り普通列車の武蔵小山→不動前において、東急(新)3000系、5080系の南北線直通列車のみ「次は不動前……」を言わない(3020系、メトロ車、埼玉高速車、および三田線直通列車は案内される)
  • 下り急行列車の目黒→武蔵小山において、東急(新)3000系のみ「次は武蔵小山……」を言わない(5080系、3020系、他社車両は案内される)

いずれも車種や種別、行先によって案内が行われたり行われなかったりという不可解な状況で、意図したものではなく設定ミスが何年も気付かれていないだけなのではという邪推もしてしまうのですが、真実はいかに。

  • [1]例外的に池上線、東急多摩川線では終着駅開扉方向の案内のみ、ひとつ手前の駅停車中に運転士が肉声放送を行いますが、これも新7000系や1000系1500番台では自動放送で案内できるように改良されています。