2019年夏の『まどか☆マギカ』TVシリーズ再放送は Blu-ray 版準拠

2019年7月〜9月にかけて、MBS、TOKYO MX、群馬テレビ、とちぎテレビ、BS11にて『魔法少女まどか☆マギカ』のTVシリーズが再放送されました。

『まどか☆マギカ』の再放送はこれまでにも幾度となく行われているのですが、今回の放送で注目したいのは本編映像がパッケージ版だったことです。また、提供クレジットも今までにないパターンが発生しました。以下、 TOKYO MX の放送で確認した情報をまとめます。

  1. 本編映像
  2. 12話の概念空間
  3. 提供クレジット
  4. CM

本編映像

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TVシリーズの映像にはいくつものバリエーションがありますが、大きく分けると

  • 放送版
  • インターネット配信版
  • パッケージ版(DVD、Blu-ray)

の3タイプが存在します。基本的にこれまでのTV放送では放送版の映像が流れていたのですが、今回おそらく初めてパッケージ版の映像が放送されました。より正確に記すと、一部の話数ではなぜか DVD と Blu-ray で差異があるのですが、今回流れたのは Blu-ray 版の方になります。ただし、TV放送では“尺”が決まっているためか、パッケージ版でエンディングが追加された第1話、第2話、第9話、第11話はエンディングなしであり、これまでのTV放送時と同様に本編映像内にスタッフクレジットが挟まれるようになっていました。

  • なお、インターネット配信では以前からNetflix(www.netflix.com) が Blu-ray 版を配信している例があります。こちらは尺の制限がないためか、第1話などのエンディングあり、第12話のエンドイラストなしと、 Blu-ray 版そのままです。

これがどういうことかというと、カットによってはパッケージ版の映像にもかかわらずスタッフクレジットが被さるという状態が発生したわけです。例として、第1話Bパートの 23m22s 〜 23m44s (キュゥべえが「ありがとうマミ、助かったよ」と言うシーン)における変化を取り上げます。

第1話 23m25s のカット(TBS・2011年)
第1話 23m25s のカット(Blu-ray)
第1話 23m25s のカット(TOKYO MX・2019年)

2011年の本放送では、まどか、さやか、マミがキュゥべえを取り囲むようにしゃがんでいるカットにクレジット表記が被さっています。パッケージ版ではエンディング「また あした」が追加されたためにクレジットは削除され、またマミとさやかの大きさが小さく修正されています。今回の再放送にあたり、両者を混ぜ合わせたような映像が流れました。

12話の概念空間

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前述のとおり、今回の再放送は Blu-ray 版に準拠した映像だったわけですが、ひとつだけ例外がありました。それは第12話の虚無空間(いわゆる概念空間)でのまどほむシーンで、ここだけ放送版の映像が使われていました。

このシーンのパッケージ版映像はまどかとほむらの身体にかかるエフェクトが放送版に比べて薄くなっており、言ってみれば女子中学生がほぼ素っ裸なカットも含まれているわけですが、おそらくそれを地上波で流すことができなかったのでしょう。

第12話 10m11s のカット(TBS・2011年)
第12話 10m11s のカット(Blu-ray)
第12話 10m11s のカット(TOKYO MX・2019年)

この前後のシーンや、虚無空間中に挟まれる回想シーン部分はパッケージ版の映像だったため、12話に限ってはシーンによって放送版とパッケージ版が混在しているという前代未聞の結果になりました。

提供クレジット

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本編映像が Blu-ray 版だったと言っても、TV放送ですから提供クレジットが挟まれます。2011年の本放送時を含めたこれまでの放送では、以下のパターンでした。

第1話〜第7話
オープニング後に各話の本編中場面カットを背景に使用した前提供、次回予告後に同様に場面カットを使用した後提供
第8話〜第11話
Aパート冒頭の本編中に前提供、次回予告後に各話の場面カットを背景に使用した「To Be Continued...」(2011年4月の連続放送時は「引き続き、魔法少女まどか☆マギカ○○話をお楽しみください。」)
第12話
サブタイトル表示後の本編中に前提供、本編終了後にCMを挟みエンドイラスト(蒼樹うめ)

今回の再放送では、第7話まではこれまでの放送と完全に同一です。すなわち本編映像が Blu-ray 版であるのに対し、前提供、後提供の場面カットは放送版のイラストとなっていました。

一方、第8話以降に関してはこれまでと異なり、第7話までと同様に前提供、後提供ともに本編中の場面カットを使用したものとなりました。そのカットは今回の放送に際して新たに選定されたものなため、 Blu-ray 版のイラストとなっています。また、第7話までは前提供は各話のキュゥべえのカット、後提供は魔法少女(7話のみ仁美)が採用されていましたが[1]、今回選定されたうち第8話〜第11話は前提供が風景のカット、後提供がキュゥべえのカット(11話のみワルプルギスの夜)になりました。

第8話の前提供(アバン、夜の港湾施設)
第8話の後提供(Bパート、ベンチで「きゅっぷい」するキュゥべえ)
第9話の前提供(アバン、時計塔の文字盤のアップ)
第9話の後提供(Aパート、まどかのベッド棚でぬいぐるみに混じって座るキュゥべえ)
第10話の前提供(Aパート、ほむらの帰り道の大きな中路アーチ橋)
第10話の後提供(Bパート、荒廃した街を背景にキュゥべえが「あきらめたらそれまでだ」と言うカット)
第11話の前提供(アバン、ほむらの部屋全景)
第11話の後提供(Bパート、荒廃した街を背景に飛ぶワルプルギスの夜)
第12話の前提供(アバン、荒廃した街を背景に座るキュゥべえ)
第12話の前提供(Bパート、夜の街を背景に鉄塔に立つリボンほむら)

CM

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今回の再放送は2020年1月からの放送が決定している『マギアレコード』のTVアニメ(anime.magireco.com) の宣伝を意識したものと思われ、放送枠内ではマギレコのCMが流されました。 TOKYO MX で流れたCMを下表に示します。

話数 オープニング後 A-Bパート間 エンディング後
1話 『マギレポ劇場』第1話(YouTube)キャラ別CM 第6弾(まどか、ほむら)(YouTube)
2話 『マギレポ劇場』第2話(YouTube)キャラ別CM 第6弾(まどか、ほむら)(YouTube)
3話 夏もマギレKOO!!(YouTube) 『マギレポ劇場』第3話(YouTube)
4話 『サマトレ!~火に消えた夏の宝~』PV(YouTube) 『マギレポ劇場』第4話(YouTube)
5話 『マギレポ劇場』第5話(YouTube)キャラ別CM 第6弾(まどか、ほむら)(YouTube)
6話 『マギレポ劇場』第6話(YouTube)キャラ別CM 広江ちはる(YouTube)
7話 2周年CM「そうめん篇」(YouTube) 『マギレポ劇場』第7話(YouTube)
8話 2周年CM「水遊び篇」(YouTube) 『マギレポ劇場』第8話(YouTube)
9話 『マギレポ劇場』第9話(YouTube)2周年CM「そうめん篇」(YouTube)
10話 『マギレポ劇場』第10話(YouTube)2周年CM「花火篇」(YouTube)
11話 キャラ別CM 第6弾(まどか、ほむら)(YouTube) 『マギレポ劇場』第11話(YouTube)
12話 『マギレポ劇場』第12話(YouTube)キャラ別CM 第6弾(まどか、ほむら)(YouTube)
  • キャラ別CM 第6弾(まどか、ほむら)の映像は、「事前登録受付中」バージョンの YouTube 動画にリンクを貼っていますが、実際にTV放送で流れたのは「好評配信中」バージョンです。
  • 12話のCMタイミングは、正確にはいずれもBパート終了後です。

脚注

  • 1.

    ちなみにメガミマガジン2011年5月号(Amazon) に付属の「魔法少女まどか☆マギカ スペシャルブック」のスタッフコメントによると、本放送時にキュゥべえの提供イラストを選定したのはシリーズディレクターの宮本幸裕氏だったようです。今回の再放送用の提供イラストはどなたが選定したのでしょうかね。 ↩ 戻る