「技術書典5」に一般参加

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10月8日、池袋サンシャインシティで開催された技術書典5(techbookfest.org)に一般参加してきました。

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写真1:「技術書典5」の入口すぐの様子(運営ブース)

参加の動機としては、純粋に興味ある本が売られていたこともありますが、技術書の即売会ということで、コミックマーケット等とはどういう違いがあるのか(あるいはないのか)、自分の目で確認してみたいという点がありました。

また、参加者の多くは技術者だと思いますが、情報の伝達という意味ではブログ等に記事を書くか、書籍形態であっても通信販売、電子書籍、PDF頒布など、物理的障壁がなくアクセシブルな販売方法は今どきいくらでもあるのに、わざわざ特定の場所に集まり、手渡しで頒布するという昔ながらの行為に対して、どう考え何を対策しているのかを感じ取れればなお良しとも思っていました。

サークルチェック

何はともあれ、まずはサークルチェックです。

サークルリスト(techbookfest.org)を見ると、471サークルが登録されており、サークルカットである程度の情報が分かるサークルもありますが、手動で一つずつチェックするにはやや厳しい量です。

しかし検索機能は見当たらないし、 Google で site: 検索をしてみるもほとんどヒットしないしで(Googlebot が巡回し切れていない?)、結局手動で一つずつチェックせざるを得ませんでした。このイベント、第1回からサークル数が 59 → 189 → 194 → 246 → 471 と増え続けているので、この先も規模が大きくなるのならば何かしら対策をしていただきたいところです。

一方、チェックリスト(お気に入り機能)があり、サークル配置図のマップに反映されるのはコミケの「Comike Web Catalog」並みの機能で便利ですね。

待機列

会場着は 11:59。向かう列車内で Twitter 検索していると、あまりの列の長さに辟易してそのまま離脱したと書き込んでいる方も複数見かけたのですが、少なくとも私の着いた時点ではそんなに長いとは感じず(※大型アニメイベントに頻繁に参加している個人の感覚です)、また進み具合もスムーズで 12:24 には入場できたので、並んでいた時間は25分ほど。

その後、 12:45 には待機列解消のアナウンス(Twitter)がありました。

会場内

12時台~13時台しか滞在しなかったので、あくまでその時間帯の感想ですが(おそらくもっとも混雑していた時間帯)、サークルスペースが並ぶエリアはコミケ並みの混雑で、目当てのサークルを探すのはもちろん、ただ移動するだけでも一苦労。一方で会場の端には空きスペースがあり、そこは混雑もせずゆったりしていたので、休憩や荷物整理に困ることはありませんでした。

良かった点としては、すべて(?)のサークルスペース正面にスペース番号とサークル名が書かれた紙が貼られていたこと。運営側で用意したものだと思いますが、サークルを探したり、現在位置を確認するのに便利でしたね。欲を言えば、もう少し文字サイズは大きく、フォントも太くしていただけるとより見やすかったかなと。

出口付近には立ち読み広場(blog.techbookfest.org)があり、周囲からは「入口付近にあった方が良い」という会話も聞こえてきましたが、個人的には出口付近で良かったと思います。結局、早くから来場する人は大抵お目当てのサークルがあって、最初はそこに行くでしょうから、立ち読みスペースが入口付近にあってもいったんはスルーするでしょうし、逆に待機列が解消された後は入口、出口の区別なくどちらからでも入退場できるようになりましたから、午後にふらっと来てまずは立ち読みを……という方は出口から入場すればいいので。

購入した本

サークルチェックを始めたのが当日の朝という状況(前述のとおり検索機能がないことに気付いて満足にチェックできなかった)と、午後に別件の用事があって長居できなかったこともあり、購入したのは3冊のみ。

柴犬でもわかるFLOCSS

FLOCSS の作者による解説本。名刺サイズのダウンロードカードが付属しており、BOOTHのページ(mamehiko.booth.pm)からPDF版も入手できます。

GitHub で公開されている README.md(github.com)はあくまでドキュメントであるのに対し、本書では「なぜそうなっているのか」という掘り下げがなされており、 FLOCSS を使う/使わないに関わらずCSS設計の参考になる内容となっています。残念なことに私は人間ごときなもので、柴犬のように理解できるか不安だったのですが、コードサンプルも多く、とくに詰まることなくすらすらと読むことができました。

FLOCSS は今年になって使い始めた初心者なのですが、とくに悩むのが Component と Project の使い分けで、これは本書の第2章がまさに「ComponentかProjectか」というタイトルで解説されているのですが、意外にも(?)自分なりの理解はそう大きく間違っているということはなく一安心。

一方、第3章で解説されている Layout の扱いについて、 .l-header { background-color: #FFFFFF; } のように Layout 内に装飾に関するスタイルを指定するのは悪手と紹介されているのですが、自分はまさにこのようなスタイル付けをやってしまっており、再考の余地があると反省[1]

同人誌即売会におけるクレジットカード決済・電子マネー決済の愉しみ(改訂版)

コミケ等にも出店されているサークルで以前から気にはなっていたのですが、そういえば本を入手していなかったのでせっかくならこの機会にと購入しました。

私自身、即売会にサークル参加するときはSquare(squareup.com)のサービスを利用したクレカ決済を導入しており、今後は他の電子マネーにも手を広げたいと考えているので、参考になるかなということで。

ここのサークルはクレカや電子マネーが使えるだけでなく、簡易POSレジ(シャープ製XE-A280BT)(www.sharp.co.jp)を導入し、本の裏表紙に印刷されたISDN(国際標準同人誌番号)(isdn.jp)のバーコードを読み取ってレシートを発行するなど、どこまでが会計処理の効率化目的でどこからが趣味の範囲でやられているのかよく分かりませんが(笑)、ともあれ即売会での決済方法にこだわってみるのはとても面白いですし、真似できる部分は真似させていただこうかと思います。

これからはじめるWebアクセシビリティ

Webアクセシビリティ本と聞いて反射的に購入。ダウンロードカードによるPDF版の頒布でしたが、イベント終了後にBOOTHのページ(konnnoinu.booth.pm)での販売も始まりました。

内容については「これからはじめる」のタイトルどおり、初心者向けの入門書とのことですが、

  • アクセシビリティとユーザビリティとの違い
  • アクセシビリティは障害者対応ではない
  • WAI-ARIA はできる限り使わないようにする、その一方で <main role="main"> は必要

など、実務上の注意点も踏まえたうえでの必要な考え方がコンパクトにまとまっており、まさしく入門書としてふさわしい出来になっています。

そのうえで、第8章「アクセシビリティ対応に役立つライブラリ・プラグイン・ソフト」と第9章「アクセシビリティ関連リンク」は、有用なリンク集でブックマーク代わりとして実用的に使える面もあります。強いて難点を挙げると、リンク先の説明がなかったり、あってもタイトル程度の情報しかないリンクも多かったので、1~2行程度の簡単な概要説明があると良かったなとは思いました。

最後に、「7.3 alt について今一度考える」ですばらしい文章があったのでご紹介します。

画像を使用する際は、利用できない人も想定しておく「余白」を作っておきましょう

ここで書かれている「余白」とは margin: 1em のような意味ではなく、「余地」あるいは(コンテンツ制作者側にとっての)「余裕」に近いニュアンスだと私は受け取ったのですが、こういう考え方はいいですね。代替テキストの議論では、そこに画像がすでに存在するという前提でどのような記述を行うかという点に焦点が向きがちですが、このようにちょっと俯瞰してみることも大切だと改めて気付かされました。

  • [1]ただし、書籍内でも考案者が語っているからといって、その手法が正しい=すべての問題を解決する、というわけではないと書かれているとおり、絶対的な唯一の正解というものは存在しないでしょう。自分の理解が違ったからといって、明日から書籍のとおりにコードを置換するのではなく、「なぜ作者はそのように考えたのか」という視点から自分なりの解を見つけるのが良いと思っています。