横浜市立図書館の蔵書検索が改悪された、その三

横浜市立図書館の蔵書検索がスクリプト必須になった件について、横浜市中央図書館とのやりとりの概要です。横浜市立図書館の蔵書検索が改悪されたおよびその二の続きとなります。たぶんこれで最後です。

まず、横浜市中央図書館の企画運営課に対し、検索・予約の操作にJavaScript必須になったことにより、スクリプト無効環境で操作ができなくなったことを説明し、次の3点を要請しました。

  • スクリプトが使えなくても予約できるシステムへの再リニューアル
  • 最低でも、JavaScriptが必須なことの周知
  • もし再リニューアルが実現不可能な場合は、その技術的理由の明示

それに対する企画運営課からの回答は次のとおり。

  • 7月30日にリニューアルを行い、シングルサインオンを導入した。
  • JavaScript無効環境で使用できない旨の記載がなかったので、現在は表示している。
  • シングルサインオンの導入と同時に、セキュリティ強化の面から通信方式をGet方式からPost方式に変更しており、そのためにJavaScriptが必要になった。
  • これらの理由から、現時点ではJavaScriptが必須の機能になっており、なくすことは困難。

回答を受けて、私からさらに追加質問。

  • Java script/オートコンプリートを有効にする方法(www.city.yokohama.jp) というコンテンツが作成されたようだが、「Javaアプレットのスクリプト」と「スクリプトによる貼り付け処理の許可」を有効にさせる必要はないのでは。
  • POSTへの変更とJavaScript必須は何ら関係ないのでは。単に両者の変更が同じタイミングで行われただけではないか。(GETでスクリプト必須、POSTでスクリプト不要のシステムもあり得る。)

この2点に加えて、「ではどうすればスクリプト不要なシステムにできるか」の具体的な方法を提案しました。それに対して企画運営課からの回答。

というわけで、記載内容の誤りなどは直していただけましたが、肝心のスクリプト必須の件は修正できないとのことで、当面は我慢せざるを得ないようです。

全体的な印象として、当初はスクリプト無効環境に対する説明すらなかったことから、そういった利用者が存在することを想定していなかったものと思われます。要するに、担当者の認識がいわゆるIE全盛時代から変わっていないものと感じたので、モバイル機器や読み上げ環境などJavaScriptに対応していない環境も少なからず存在することを、数度のやりとりの中でしつこくアピールしたつもりです。最終的には金銭的に無理と言うことで私が折れることになりましたが、次回以降の大規模リニューアルの際にはアクセシビリティに配慮したシステムになることを願っています。

なお、回答内容について、ウェブ上での公開自体は許可をいただいていますが、私の方で適当に要約しており、当然のことながら原文とは異なりますのでご注意を。