「声優ラジオの時間 ゴールデン」で2回目となる『さよなら絶望放送』インタビュー

ムック本「声優ラジオの時間 ゴールデン」で特集記事「【俗・】『さよなら絶望放送』とは何か?」が掲載されました。

昨年(2014年)12月に発売された「声優ラジオの時間 アンコール」に引き続き2回目の特集で、今回は構成Tと佐藤D、それとパーソナリティーの新谷良子さんへのインタビューとなっています。

  1. 佐藤太(ディレクター)×田原弘毅(構成作家) 「アニラジ家の矜持」
  2. 新谷良子 「至極の普通」

佐藤太(ディレクター)×田原弘毅(構成作家) 「アニラジ家の矜持」

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構成Tは『ぱにらじだっしゅ!』でゲストに来た神谷さんと初めて出会い、すぐに惚れ込んでいたところ、『絶望先生』をシャフトが作って糸色望役を神谷さんがやることになり、ラジオの依頼が自分のところに来たと。

偶然か必然か、いずれにしてもこうも作品とパーソナリティー、構成T氏をはじめとするスタッフが相性良く絡まって息の長いラジオが続けられたというのはすごいことですね。

以下、インタビューで話された内容からいくつかピックアップを。

  • (田原)『さよなら絶望放送』というタイトルを考えたのは僕。
  • (田原)すべてミニ番組にするコンセプトや、SZBHというコールを作ったのは佐藤D。
  • (インタビュアー)最終的な投稿総数は17万通以上。
  • (田原&佐藤)対ギャラで考えると、構成Tの台本作りも佐藤Dの音声編集もまったく釣り合っていなかった。
  • (佐藤)打ち合わせは(2回分で)1時間はやっていた。
  • (佐藤)神谷さんと自分らスタッフは頭を使って喋るタイプ、新谷さんはナチュラルな反応を声に出してくれる存在。
  • (田原)新谷さんは(収録中に)黙ることができる。これは実はすごいスキル。
  • (田原)途中から「常連をキャラクターにしちゃえ」と思った。『絶望放送』のキャラとして立たせようと。
  • (田原)"副委員長会議" はただ5時間くらい飲むだけのもの。

印象的だったのは、前号のインタビューで絶望放送が復活できるとしたらという質問に対し、高橋プロデューサーは「難しいだろうけどできるならやりたい」というニュアンスのことを言っておられましたが、構成Tと佐藤Dは「アニメ4期があること前提」という立場を明確にしていたことです。

(田原)状況が許すとしたら、僕の中ではもう1回アニメになる以外ないです。四期が始まるならやります。

(佐藤)迂闊にやると狙っている感があるじゃないですか。その時点で、以前のようにはならないという気がしちゃいますね。……(中略)……アニメが復活するようなことがあったら、その時は泣いて頼んでもやらせてくれと言うと思います。

これは私も同感でして、前回の感想記事でも書いたのですが、アニメなしに復活しても当時とは違うものになってしまい、違和感を覚えて残念な思いをするだろうと。ただし何かの節目にイベントという形で1回だけの公開録音をするとかはありじゃないかなと思います。ほら、今年はシャフト40周年でMADOGATARI展(www.madogatari.jp) がありますし、絶望先生に関する展示も少しはあることが関係者の話で分かっていますから、ね。

新谷良子 「至極の普通」

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他の方のインタビューでも触れられていますが、新谷さんの番組への付き合い方は神谷さんや他のスタッフとは正反対で、「打ち合わせでの話に付いていけず寝ていた」というエピソードもあったそうで。新谷さんを知らない人からしたら不真面目な人間と思うかもしれませんが、そうではないんですね。

番組でも、とくに杉田智和さんゲスト回にゲームの話で盛り上がる中、自分からはまったく喋らなくなったこともありましたが、構成Tにして「黙ることができるスキル」と言わしめたように、知らない話題に無理に付いてくるのではなく、そこはあえて黙る。ではその回は居なくてもいいかというとそんなことはなくて、ただそこに座って時々笑ったり、突然トークを振られて狼狽えるだけのことが聞いていてまったく不快ではないという。

それに、そのようなことはキャラ作りではなく新谷さんの素だったのでしょうけど、ご本人も(ゲストなど周囲との)バランスだけ気にしている人との関係性で私は喋ると仰っているように、そういうリアクションは相手が神谷さんだったからこそより活きたのでしょうね。