東急車輛産業遺産・デハ7052のパンタグラフは京急電車の流用品かも

以前、総合車両製作所(旧・東急車輛製造)に保存されているデハ7052の集電装置について、こんなことを書きました。

謎なのがパンタグラフで、ホーンが末端で結合しているタイプとなっています。東急時代末期は、現在の7700系のように末端まで2本のタイプとなっていたのですが、東急車輛に来てから交換したのでしょうか。台枠には怪しげな機器が付いており、避雷器も撤去されるなど好奇心をそそられます。

こどもの国線からきたデハ7052! ちょっとヘン!!(blog.w0s.jp)

「怪しげな機器」とは、台枠の"側"にある白い碍子の付いたものですが、先日所用で京急線を利用した際、同じ機器を付けた車両がいるのに気付きました。

デハ7052のパンタグラフ
京急デハ816-2(海側)

京急電車は門外漢なのですが、気になったので調べてみました。まず京急のパンタグラフは以下の3種類に大別できます。

  • 菱形、PT-43
  • 菱形、PT-4323S-A-M(PT43-E6-M)
  • シングルアーム型

PT-43形は旧1000形で導入され、今は800形(全部?)や1500形(一部)に搭載されています。

PT-4323形は1994年登場の600形で導入されたものですが、後に交換されたのか1500形の一部や2000形もこれを搭載しています。

600形4次車からはシングルアーム型となり、2100形や1000形も搭載されています。

いずれも、台枠に「白い碍子」が付いているのですが、これは現車をよく見たところ避雷器と判明しました。この避雷器も新旧2種類があるようで、旧型は三菱製、新型は東芝製となっています。新型タイプは1000形の一部でしか目撃できなかったので、ここ数年で導入されたものかもしれません。

PT-43形・旧型避雷器(デハ816-5)
PT-4323形・旧型避雷器(デハ1539)
シングルアーム型・新型避雷器(デハ1443)

デハ7052のパンタに付いているのものは旧型の避雷器と同じもので、東急時代の避雷器が撤去されたのも納得です。東急車輛の牽引車として活躍していた当時、深夜とはいえ逗子線を走行する関係で京急仕様に合わせる必要があったのでしょうかね。

  • 余談ですが、京急のパンタグラフ写真はすべて神奈川新町の跨線橋(maps.google.co.jp) での撮影です。土曜日の朝9時台に訪問したのですが、入出庫や入換など車庫内の動きも頻繁で、短時間でほとんどの車種を観察することができました。