蒲原鉄道モハ1のブリル76E台車や床下機器を見る

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先日、新潟県加茂市の冬鳥越スキーガーデン(www.city.kamo.niigata.jp)に保存されている蒲原鉄道モハ1(旧デ2)を見てきました。この車両は1923(大正12)年に製造されたもので、車体は目黒蒲田電鉄のデハ1形にそっくりです。

なお、アクセスは信越線加茂駅から加茂市営市民バス(www.city.kamo.niigata.jp)で約30分、「冬鳥越」下車すぐです。

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写真1:冬鳥越スキーガーデンのモハ1

2両が製造されたデ1形は、廃車後も車体のみが村松車庫に残されてたようで、とくにモハ1の方は1999年の廃線までその姿が見られたので有名ですね。私も何度か訪れましたが、うっかりすると見過ごしてしまうほどに建物と同化している状態でした。

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写真2:村松車庫に置かれていた頃のモハ1
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写真3:村松車庫に置かれていた頃のモハ1(側出入口付近)

廃線後に以前の冬鳥越駅近くに運ばれ、見違えるほど整備されているのですが、気になるのは下回り。台車は他の車両に譲り、床下機器もすべて外されていたため、どこから調達したのだろうと疑問に思っていました。

台車

まずは台車を見てみます。構造的には明らかにブリル76E形なのですが、端梁に取り付けられていたはずの銘板は撤去されてしまっており、残念ながら来歴は分かりませんでした。主電動機も再現されていないようです。

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写真4:モハ1の五泉方台車

ブリル76E形台車は、構造的に27Gや27GE形の系統と思われ、27系のいわゆる「提灯ばね」が姿を消し、代わりに枕ばねが板ばねの上にコイルばねを重ねて載せた「Graduated Spring System」を採用しているのが最大の特徴です。

製造時期による構造のバリエーションとしては、後期のタイプは側梁と横梁の結合部分が強化され形状が変わった事と、板ばねを吊っているスイングハンガーがツインリンクになった事が挙げられます。

前者は吉雄永春氏の「電車の台車ブリル篇」(RomanceCar No.10・1950年4月)、後者は西敏夫氏の「Brill台車とその特色」(鉄道史料 No.28・1982年10月号)にて図解がされています。

蒲原モハ1の台車を見ると、側梁と横梁の結合部分は改良前のもの、スプリングハンガーも通常の(Twin Linkでない)タイプなことから初期の個体ではないかと思います。その他の注目点としては、板ばねは8枚、軸距は実測で4フィート10インチ(約1473mm)ということを確認しました。

このほか、これも27-MCB形などでお馴染みのトラニオンが設置されているのですが、これは五泉方の台車にしか付いていません。というより、加茂方の台車はなぜか揺れ枕自体が無いのです(ボルスタレス!)。また基礎ブレーキや、車端部側に排障器がないのも不自然に思います。

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写真5:加茂方台車の揺れ枕があるべき部分

さらに、加茂方の台車のスイングハンガーは上下で2分割されてボルトで結合されたものとなっており、枕ばね周りの部品も五泉方台車とは差異が見られます。

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写真6:加茂方台車のスイングハンガー

空気圧縮機

五泉駅を向いて右側、現在の保存場所で言うなら国道と反対のスキー場側にはCPが搭載されており、外観から察するにギヤ式のDH系と思われます。

モーター室の蓋には「WESTINGHOUSE TRACTION BRAKE CO. WILMERDING,PA.」の刻印があるので、舶来品と思われます。ただ銘板は見当たらず、浅学故に外観から形式を判断する事ができません…。

今回は床下に潜ったりはしていないので、裏側などに銘板が残っている可能性はありますが。

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写真7:モハ1のCP

電動発電機

CPの反対側にはMGが搭載されています。

銘板は残されているのですが、塗料により文字が判読不能なため、こちらも形式は分かりません。

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写真8:モハ1のMG