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補助電源装置

更新

旧5000系から新3000系まで(旧性能車のデハ150形を除く)に搭載された補助電源装置を紹介します。

  1. 概要
  2. 小容量 MG
  3. 小容量 SIV
  4. 扇風機電源装置
  5. 大容量 MG
  6. 大容量 SIV
  7. VVVF 主制御器 / SIV 一体型
  8. 空調制御装置

概要

古くから制御回路や照明装置などの補助電源として、架線電圧を電動機に入力し同軸上の発電機を通すことで電力の変換を行う電動発電機(MG)が使われており、当初は直流出力が行われていましたが、1950年代には交流蛍光灯の導入が行われ、MG は交直出力が可能な複流タイプが主流になりました。さらに1960年代後半にはインバーターを定電圧・定周波数で制御する静止形インバーター(SIV)が登場し、東急電鉄では8000系から採用されています。

1971年には東横線にて冷房車が導入されましたが、この時点では冷房電源用の大容量かつ三相交流出力に対応した SIV は開発されていなかったため一時的に MG が復活、大容量 SIV の量産が開始されて以降は全面的に SIV となり現在に至ります。

小容量電源装置
タイプ 形式 製造所 交流出力 登場年 主な搭載車両
容量 周波数
小容量 MG CLG107 東芝 2.5kVA 120Hz 1954年 5000系、デハ3700形、5200系、デハ3450形、デヤ3001
CLG308 東芝 1.5kVA 120Hz 1955年 デハ200形
CLG316 東芝 5kVA 60Hz 1958年 5200系(サハ5250形)
TDK381 東洋 6kVA 400Hz 1960年 6000系(A・C編成)、7000系(東洋車)
CLG320 東芝 7kVA 120Hz 1960年 6000系(B編成)
HG533 日立 7.5kVA 400Hz 1963年 7000系(日立車)
CLG339 東芝 7.5kVA 400Hz 1967年 7200系
CLG319 東芝 5.5kVA 60Hz 1969年 万博モノレール → サハ3251、3360形、3370形、デヤ7290
CLG333 東芝 9kVA 120Hz 1964年 福島交通デハ5000形、熊本電気鉄道モハ5000形
TDK359 東洋 9kVA 120Hz 1967年頃 熊本電気鉄道モハ5100形
TDK366 東洋 5.5kVA 60Hz ? 北陸鉄道7000系
小容量 SIV BS33 東芝 10kVA 60Hz 1969年 8000系、8500系、8090系
INV009 東芝 2kVA ? 1986年 デハ8638〜8641(田玉・大井町線共通予備車)
扇風機電源装置 S11 小糸 1kVA 60Hz 1980年代 7000系
冷房電源に対応した大容量電源装置
タイプ 形式 製造所 出力容量 登場年 主な搭載車両
大容量 MG CLG350 東芝 140kVA 1971年 8000系(2〜5次車)、8500系(6次車)、8090系(12〜13次車)
HG554 日立 90kVA 1972年 クハ7560, 7552, 7554
TDK3725 東洋 75kVA 1970年頃 水間鉄道1000形
大容量 SIV 試作 東芝 140kVA 1974年 クハ8029
BS443 東芝 170kVA 1976年 8500系(7〜12次車)
試作(GTO) 東芝 170kVA 1978年 サハ8915
BS477 東芝 50kVA 1980年 8090系(12〜13次車)、8000系(8300形)、7200系
BS482 東芝 170kVA 1982年 8500系(13〜17次車)、8090系(16〜17次車)、8000系(1次車)
INV003 東芝 120kVA 1986年 9000系(1次車)
INV006 東芝 90kVA 1986年 7200系、7600系
INV008 東芝 170kVA 1986年 8500系(18〜19次車)
INV020 東芝 120kVA 1987年 9000系、7700系、1000系
RG467 東洋 120kVA 1988年 クハ7910, 7914
INV029 東芝 170kVA 1988年 8000系、8500系(7〜12次車の一部)、8090系、2000系
INV095 東芝 170kVA 1993年 8500系(9〜12次車の一部)
INV127 東芝 210kVA 1999年 新3000系
INV104 東芝 100kVA 2000年 デハ8296, 8282
INV146 東芝 250kVA 2001年 クハ8031(新5000系で本格採用)
INV153 東芝 100kVA 2005年 デハ8298, 8290
INV205 東芝 260kVA 2018年 2000系、9020系
CDA021 富士 30kVA 2002年 十和田観光電鉄7200系
BS483 東芝 90kVA 1983年 豊橋鉄道ク2807〜2810
RG5096 東洋 ? 2020年 養老鉄道ク7901, 7914
VVVF 一体型 RG660 東洋 140kVA 1996年 デハ7715
SVF041 東芝 80kVA 1999年 Y000系、7500系
SVF091 東芝 150kVA 2014年 1000系1500番台
空調制御装置 DA61T 三菱 20kVA 1999年 300系
  • 東芝のうち1984年以前は東京芝浦電気の略、東洋は東洋電機製造の略、日立は日立製作所の略、三菱は三菱電機の略、富士は富士電機の略、小糸は小糸工業の略。
  • 小糸工業の鉄道事業は2011年にコイト電工に移管された。
  • 機器の登場年は、試作タイプを除き東急電車でその機器が初めて搭載された車両の入籍日ないし改造日を基準としており、機器の実際の製造初年とは限らない。例えば CLG107 型は旧5000系がデビューした1954年としているが、CLG107 型自体は他事業者でも広く使われており、その数年前から導入されている。
  • 他事業者からの転用品を搭載したものの登場年は以下のデータから採っている。これらも機器の実際の製造初年とは限らないので注意されたい。
    • CLG319: 万博モノレールの車両搬入年(開業前年)
    • CLG333: 京阪神急行電鉄(現: 阪急電鉄)に CLG333 型が初めて納入された年
    • TDK359: 熊本電気鉄道モハ5100形の現車調査(搭載車のうちモハ5101A, 5102A のみ)
    • TDK3725: 水間鉄道1000形の現車調査(搭載車のうちデハ1002, 1008 のみ)
    • CDA021: 十和田観光電鉄7200系の現車調査(全2両)
    • BS483: 豊橋鉄道1800系の現車調査(搭載車全4両)

小容量 MG

CLG107(東京芝浦電気、2.5kVA)

松本電気鉄道モハ5005(東急デハ5055)
デワ3043 海側

旧5000系グループに搭載され、デハ3700形やデハ3450形など一部の吊掛駆動車にも採用された MG です。

旧5000系グループでは主抵抗器を空冷する送風機が両端に繋がっているのが特徴で、同様の方式は国鉄モハ90形(101系)でも採用されました。当初は室内から空気を取り入れていましたが、1956年度の 5017F より外気からの取り入れに変更され[1]、送風機が変更されるとともに MG もそれまでの F 型から送風量を増加させた H 型へ切り替わりました。譲渡車では MG の移設(長野電鉄)や降圧改造による換装(福島交通、熊本電気鉄道)により送風機直結方式を止めた例もあります。

旧3000形グループでは MG 単体の設置でしたが、両端には送風機接続部の蓋代わりなのか、円錐状の突起が付いているのが特徴でした。

稼働個体は長津田車両工場のデワ3043 を最後に消滅し、2023年現在は保存車で数基が残っています。

CLG308(東京芝浦電気、1.5kVA)

No Image

玉川線のデハ200形に搭載された MG は交流出力の電圧が 200V となりました。

超低床車体のボディーマウント構造なため、台車以外の床下機器の様子を伺うことはできませんが、機器配置図によるとパンタグラフのある第1位車(二子玉川園方の車体)の海側、運転台方台車のすぐ脇に搭載されていたようです。

現在は電車とバスの博物館にデハ204 が保存されていますが、MG が現存しているかどうかは不明です。機器の写真が掲載された資料としては東芝レビュー 1956年4月号(No.75)「昭和30年における東芝技術の成果」p.427(国立国会図書館デジタルコレクション) があります。

CLG316(東京芝浦電気、5kVA)

No Image

5200系には空調装置として天井に軸流送風機が設置されており、その電源としてサハ5250形に専用の MG が搭載されたのが特徴でしたが、1972年の扇風機化で撤去されました[2]

TDK381(東洋電機製造、6kVA)

弘南鉄道デハ6007(東急デハ6007)

旧6000系、旧7000系の東洋電機車に搭載されていた MG です。

交流出力の周波数は旧5000系やデハ200形では発電機の特性に合わせた 120Hz でしたが、それらに対して本 MG は主制御装置に使われている磁気増幅器の動作に合わせた 400Hz とされ、蛍光灯も変更されました。高周波のため発電機が無ブラシ・無整流子の誘導子形とされ、MG の点検蓋が電動機側の1か所のみとなっている特徴があります[3]

各地に譲渡された車両のうち弘南鉄道弘南線では7000系が現役で活躍しているほか、稼働機会は皆無なものの弘南鉄道大鰐線の6000系と水間鉄道7000系でも見ることができます。

CLG320(東京芝浦電気、7kVA)

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旧6000系の東芝車に搭載されていた MG です。

この MG の最大の特徴は軸端に 2kW のブースターを設けていたことでしょう。回生ブレーキを導入した旧6000系の主電動機は、旧5000系までの直巻電動機に代わり複巻電動機となりましたが、その制御方法は東洋電機車(A編成)と東芝車(B編成)で大きく異なり、東芝車では主電動機の分巻界磁電流を MG のブースターで制御する方式とされました。これは力行時は分巻界磁電流を電機子回路電流に比例させることで主電動機が直巻特性を持つようにし、一方で回生ブレーキ時は差動複巻特性を持つように変化させたものでしたが、このような特殊な機構ゆえに保守に難があり、1969年に回生ブレーキは停止されてしまったとのことです[4]

同時期、京阪神急行電鉄(現: 阪急電鉄)でも同様に MG にブースターを付けた回生ブレーキ電車 2000系、2100系が神宝線に投入されましたが、そちらも保守に苦労があったようで[5]、昇圧工事でやはり回生ブレーキが撤去されたこともあり、この方式は電気鉄道で主流になることなく終わりました。

なお、東洋電機車の MG が 400Hz 出力の高周波タイプになったのに対し、こちらは従来どおり 120Hz 出力でした。

HG533(日立製作所、7.5kVA)

弘南鉄道デハ7031(東急デハ7031)

旧7000系の日立車に搭載されていた MG で、東洋電機車と同じく交流出力の周波数は 400Hz です。

北陸鉄道譲渡車は譲渡時に TDK366 型に換装されたため、2023年現在は弘南鉄道大鰐線のみに残っています。

CLG339(東京芝浦電気、7.5kVA)

デヤ7290 山側
【自動調整器】豊橋鉄道モ1809(東急デハ7256)

7200系に搭載されていた MG で、旧7000系に引き続き交流出力の周波数は 400Hz です。

側面中央にある直方体の箱は電圧の自動調整器(AVR)で、これまでは MG 本体とは独立して置かれていましたが、サイリスタ使用による機器の小型化で一体取付に変更されたものです。東芝製 MG における自動調整器へのサイリスタ使用は1965年の東武鉄道向け CLG336 型に始まり[6]、国鉄301系や711系へも導入されていましたが、1967年の東急7200系でついに MG 本体に直接取り付けられるまでに小型化したタイプが開発されたものとなります[7]

冷房車として登場した 7260F や、後に冷改された車両はクハ7500形に冷房用の大容量電源が搭載されましたが、この MG も引き続き使用されています。また当初はデハ7200形とデハ7400形への搭載でしたが、1980年よりデハ7200形–デハ7300形–クハ7500形の組成が登場したことからデハ7300形へも追設されています。

1991年にクハ7500 から電気検測車に改造されたデヤ7290 には2基の MG が装備されましたが、1位寄りにはこの CLG339 型が搭載され、2000年に7200系旅客車が引退した後も東急で最後の1基として稼働していました。

譲渡車では、上田交通と豊橋鉄道向けの車両は大きな改造もなく、このうち豊橋鉄道では2023年現在も活躍中ですが、十和田観光電鉄譲渡車は両運化のため SIV 搭載により撤去されました。

CLG319(東京芝浦電気、5.5kVA)

デヤ7290 山側

旧3000形グループは1970年代にその多くが目蒲線と池上線に集結し、3両固定化改造を受けますが、このうち中間に付随車が挟まった Mc–T–Mc の編成は先頭電動車の MG を撤去し、付随車に(3000形としては)容量の大きな 7.5kVA SIV ないし 5.5kVA MG を搭載することで補助電源装置を編成で1基に集約する工事が1972年より行われました[8]

このうちサハ3251 とサハ3360形(全6両)、および1976年にクハ3850形の運転台を撤去して新形式となったサハ3370形(全5両)に搭載された CLG319 型は大阪万博のモノレール車両の発生品と言われています[9]。万博モノレールは東急電鉄が運転・保守に関わり、博覧会終了後は車両や施設をこどもの国へ移設する計画があったようですが[10]、これは実現せず、代わりに部品単位でモノレール全6編成分12基の MG が譲渡されたものと思われます。

万博モノレール車両は CLG339 型を搭載した7200系より後に製造されていますが、この CLG319 型自体は型番から分かるようにそれ以前に設計されたもので、1950年代後半から京成電鉄や小田急電鉄、ドリーム交通に使用されていました。万博モノレール用の D 型は自動調整器にサイリスタを使用しているものの[11]、CLG339 型のような MG 直取り付けではなく、本体とは別置きで抵抗器や整流装置と一体の箱(写真)(リンク先写真はデヤ7290 山側)に収められました。

1991年に電気検測車に改造されたデヤ7290 には前述のとおり2基の MG が装備されましたが、2位寄りにはこの CLG319 型が搭載され、2012年の引退まで使用されました。

CLG333(東京芝浦電気、9kVA)

箱根登山鉄道モハ107

旧5000系の譲渡車のうち、福島交通は架線電圧が 750V(当時)、熊本電気鉄道は 600V なため、降圧化のため CP などとともに MG の換装が行われました。福島交通譲渡車は阪急電鉄からの転用品で 600V / 1500V 複電圧対応の CLG333 型[12]、熊本電気鉄道のうち1981年に導入された最初の入線車(モハ5043–モハ5044)もやはり CLG333 型が搭載されていました。

両者とも廃車により現存しません。

上に掲載した写真は東急譲渡車ではありませんが、参考までに箱根登山鉄道の旧型車に今も搭載されている同型式のもので、同じく阪急電鉄から1980年代に転用された品とのことです[13]

TDK359(東洋電機製造、9kVA)

熊本電気鉄道モハ5102A(東急デハ5032)

旧5000系の熊本電気鉄道譲渡車のうち、1985年追加導入の両運改造車(モハ5101〜5104)は最初の2両とは異なり東洋電機製造製の複電圧 MG が搭載されました[14]

TDK359 型の MG 本体は転用品と思われますが、自動調整器は新製されたものであり、オリジナルや寄せ集めが大半を占める床下機器の中でひときわ異彩を放っていました。

2023年現在は最後まで残っていたモハ5101A が北熊本車庫で動態保存されています。

TDK366(東洋電機製造、5.5kVA)

北陸鉄道モハ7112(東急デハ7055)

北陸鉄道に譲渡された旧7000系は走り装置をはじめ各種機器が一新されていますが、MG も南海電気鉄道からの転用品[15]に交換されました。

なお、モハ7001、クハ7011 以外の8両には冷房装置が搭載されましたが、普通鉄道で一般的な交流方式ではなく、富士電機によるシステムで架線電流を電源とした直流方式が採用されたため、冷房用の補助電源装置は搭載されていません。冷房車の各車床下にはファン駆動用の直流電動機やコンプレッサーが収められたパワーユニット(写真)(リンク先写真は北陸鉄道モハ7112)が搭載されています。

小容量 SIV

BS33(東京芝浦電気、10kVA)

デハ8201(1次車)山側

補助電源装置として量産型 SIV を最初に採用したのは1968年の東京都交通局6000系ですが、東急電鉄でも翌年に登場した8000系に東京芝浦電気(現: 東芝)が開発した 10kVA の SIV が搭載されました。

インバーター装置本体には整流装置が内蔵され、単相交流 7.5kVA・60Hz と直流 2.5kW・105V の出力が行われます。この本体箱は密閉式であり、熱放散のため天井には放熱フィンが設置、また側面と底板は表面積拡大と強度担保を両立したキーストンプレート(写真)(リンク先写真はデハ8288 山側)と呼ばれる波状の板が使用されている特徴があります[16]

装置本体のほか、架線からの直流 1500V を引き込む入力回路として、高速度遮断器やフィルタリアクトルなどで構成される起動装置(遮断器箱)(写真)(リンク先写真はデハ8294 海側)が独立して置かれています。

8500系や8090系の一部にも搭載されて長く活躍しましたが、2013年の大井町線8090系引退により国内からは消滅しました。その後もインドネシアの PT KAI 社に譲渡されたデハ8202 にのみ残っているはずですが、現地で2018年に撮影された映像[17]によると前面蓋の凸模様がなくなっており、何らかの改修が行われた可能性があります。

INV009(東芝、2kVA)

デハ8641(18-2次車)山側

8500系18次車のうち、1986年に田玉線と大井町線との共通予備車として 5 + 5 両に分割できる編成で新造された 8638F×⑩R は分割時に編成中の SIV が1基になってしまうのを防ぐため、上り向き先頭車のデハ8600形(デハ8638, 8639)に小容量 SIV が搭載されていました。続けて大井町線に新製投入された 8640F×⑤R、8641F×⑤R も同様です。

車両の廃車に伴い、2019年に消滅しました。

1990年代後半以降、大井町線や池上線での短編成車両においては VVVF / SIV 一体型のデュアルモードシステムや、あるいは単体 SIV のインバーターを2群搭載して冗長性を確保する方式が主流になったため、今後の新造車ではバックアップ目的で独立した小容量タイプが製造されることはないでしょう。

扇風機電源装置

S11(小糸工業、1kVA)

弘南鉄道デハ7031(東急デハ7031)

旧7000系は当初室内天井に送風機を装備していましたが、後に交流駆動の扇風機に更新され、MG の交流出力(200V・400Hz)を 60Hz に変換するコンバーター装置が MG 搭載車の床下に設置されました。

2023年現在でも弘南鉄道、水間鉄道の譲渡先で見ることができます。

ちなみに、前述のとおり7200系も高周波 400Hz 出力の MG を搭載していましたが、扇風機は直流駆動タイプであり、その電力変換は一般的な整流装置を使用していたため、このような扇風機専用のコンバーターは旧7000系のみの特徴でした。

大容量 MG

CLG350(東京芝浦電気、140kVA)

クハ8015(2次車)海側

東急電鉄では8000系2次車のうち1971年の東横線 8019F より冷房装置が搭載されました。前述のとおり、当時すでに 10kVA SIV が実用化されていたものの、冷房用の大容量・三相交流出力に対応した SIV は開発されていなかったため、冷房電源は MG とされました。

この MG は三相交流 200V を出力する 140kVA タイプで、クハ8000形の上り向き奇数車とサハ8900形のうち6次車までに搭載され、後にクハ8090形のうち12〜13次車の上り向き奇数車にも搭載されました。

8000系グループの廃車進行に伴い2011年をもって東急電鉄からは消滅しましたが、伊豆急行や長野電鉄、秩父鉄道などの譲渡先では今も多くが活躍しています。

HG554(日立製作所、90kVA)

豊橋鉄道ク2807(東急クハ7554)

7200系のうち1972年に冷房車として目蒲線に登場した5次車(7260F)および非冷房車のうち最初に冷改された田園都市線の2編成(7251F、7253F)には中間組み込み車を除くクハ7500形、すなわちクハ7552, 7554, 7560 に 90kVA の MG が搭載されました。写真は東急時代基準で海側から見たところです。

3両とも豊橋鉄道に譲渡されましたが、2009年に SIV への置き換えが行われて消滅しました。

TDK3725(東洋電機製造、75kVA)

水間鉄道デハ1002(東急デハ7009)

水間鉄道に譲渡された7000系は2006年より順次1000形へのリニューアルが行われましたが、最初に更新されたデハ1001–デハ1002 の編成は同時に冷房化がなされ、デハ1002(旧デハ7102) の MG が大容量タイプに換装されました。これは 600V / 1500V の複電圧対応タイプで、南海電気鉄道が昇圧準備のために用意した個体と思われます。

交流出力の周波数は一般的な 60Hz なため、従来の扇風機電源装置は撤去されています。

また 50kVA SIV を搭載していたデハ1006, 1008も、それぞれ2012年と2007年にこの MG へ換装されました。

大容量 SIV

BS443(東京芝浦電気、170kVA)

No Image

冷房電源に対応した大容量・三相交流出力の SIV は、インバーター回路の入力に使用する直流を架線電圧から 600V へ降圧させる際にチョッパ回路を使用したチョッパインバーターが開発され、140kVA の試作 SIV を 8029F のクハ8029 に搭載しての現車試験が行われました。半導体スタックや軸流コンデンサが収められた本体箱と変圧器箱は強制風冷式で、本体箱にブロアーを内蔵し、巨大なダクトを通じて変圧器にも風を送る仕組みになっていました[18]

その試験結果を基に1976年に量産品の BS443 型が登場し、サハ8900形の7-2次車から12-2次車までに採用されました。140kVA 試作機と比較して、冷房電源供給を5両から最大6両分としたことで容量が 170kVA に増加したり、主回路に逆導通サイリスタを採用したりするといった変更点があります。また、変圧器が自冷式に変更されたことでダクトを廃止した一方、主回路は引き続き本体箱にブロアーを内蔵した強制風冷とされました[19]

1990年から1996年にかけて GTO サイリスタを使用した INV029 型および IGBT の INV095 型への置き換えが行われ、消滅しました。8000系グループの2〜6次車に搭載されていた CLG350 型 MG は2011年の引退まで使われ、2023年現在も譲渡先で多数稼働しているのとは対照的です。

BS477(東京芝浦電気、50kVA)

デヤ7200 山側
水間鉄道デハ1004(東急デハ7007)

逆導通サイリスタの大容量 SIV 量産が進む中、GTO サイリスタの開発が進んだことで1978年には 2500V–600A の大容量タイプが登場し[20]、これを SIV のインバーターに使用した現車試験がサハ8915 にて実施。1980年にはインバーターを架線電圧に直接接続し、チョッパ部を省略した直列分圧形の 50kVA SIV が登場しました。冷却方式はそれまでの強制冷却から密閉式の自然冷却となり、前面が3枚の蓋で閉じられているため中身を伺うことはできませんが、向かって右側のやや狭い部屋には制御部、中央と左側の2部屋には半導体スタックが収められています。

この 50kVA SIV は8090系の下り向き先頭車(偶数車)のうち12-1次車〜13次車に搭載され、同時期に東横線の編成増強のため増備されたサハ8300形にも搭載されましたが(非冷房編成に組み込まれたサハ8301, 8304 を除く)、後に改造や編成替えにより1989年までに8000系グループからは撤去され、7200系冷房改造車の一部や旧7000系の水間鉄道譲渡車(デハ7150形)に転用されました。

特筆すべき事項として、1991年に改造された7200系電気検測車への搭載が挙げられます。動力車デハ7200(後のデヤ7200)、電機検測車デヤ7290 とも車内に空調装置が設置され、その冷房用電源および測定用機器への電源供給を兼ねる形でデハ7200 に本機が搭載されました。測定機器へは SIV の交流出力(200V)を相車であるデヤ7290 の車内に設置されたインバーター電源装置にて 100V に変換のうえ、架線・信号・無線の各検測装置へ供給する形とされました[21]

東急電鉄では7200系旅客車の引退後、電気検測車の個体が2012年の引退まで使用されました。近年になって譲渡車でも置き換えが進み、豊橋鉄道1800系と水間鉄道7000系は機器の換装、上田電鉄7200系は車両の廃車に伴い2018年に稼働個体は消滅しましたが、上田電鉄クハ7555 の保存車に唯一残っています。

一方、水間鉄道に譲渡された7000系のうち、1991年に現地で冷房改造されたデハ7101(現在のデハ1004)には同じ BS477 型でも改良型の B タイプが新製搭載されました。こちらは後述する BS482 型などと同じく箱前面の冷却フィンで冷却するタイプであり、半導体スタック部分の前面蓋が網目状になっているなど A タイプとは大きく異なる構造となっています。こちらは2022年現在も現役です。

BS482(東京芝浦電気、170kVA)

クハ8097(16-2次車)山側

1982年には直列分圧形 170kVA SIV の量産が開始され、8000系グループ13次車より(クハ8090形は16次車から)採用されました。

冷却方式は BS477 型と同様に自然冷却ながら、冷却フィンが箱の前面に設けられたため半導体スタック部分の前面蓋は網目状とされ、印象が大きく変わりました。これが1990年代前半まで長期間のスタンダートとなったため、以後似たような形態の SIV が大量に製造されることになります。

後に8000系1次車の冷改時にもこのタイプが採用され、クハ8000形の上り向き奇数車に搭載されました。

8000系グループの廃車に伴い東急電鉄からは2022年に消滅しましたが、秩父鉄道などの譲渡先で見ることができます。

INV003(東芝、120kVA)

No Image

1986年に登場した VVVF インバータ車両9000系では、冷房装置の入力電源がそれまでの三相交流 200V から 440V へ変更され、また空気圧縮機(CP)が誘導電動機駆動となったことにより SIV の三相交流出力電圧が 440V に変更されました。容量については、従来8500系の8両ないし10両編成で 170kVA SIV を2基搭載していましたが、9000系では CP 1基ごとに各 SIV で給電するため、CP の数に合わせて8両編成で SIV 3基搭載となり、容量は 120kVA に抑えられています。

これまで8000系グループや7200系では、冷房用の大容量電源装置は制御車か付随車へ搭載されるのが常でしたが、9000系では粘着力増加のため電動車への搭載とされました。その一方で、床下スペースの関係か整流装置は Tc1、Tc2、T1 車へ搭載されたため、SIV と整流装置が車両をまたぐ配置となっています。後に池上線向け1000系でも整流装置を別車両に搭載する事例が発生し、昨今では VVVF / SIV 一体型装置の普及もあり短編成では珍しくなくなっていますが、5両編成以上の長編成においては唯一の例となっています。

さて、9000系では1次車のみこの INV003 型が搭載されましたが、翌年に登場した7700系では同じ 120kVA・440V ながら新形式の INV020 型となり、9000系2次車以降も追従、さらに9000系1次車も2次車登場と同じ時期に INV020 型へ統一されたため[22]、短期間で消滅しています。なお、換装されたのは SIV 本体とフィルタ・トランス装置のみで、起動装置や整流装置(Tc1、Tc2、T1 車に搭載)はオリジナルのものが引き続き使用されています。とくに整流装置は9000系1次車のみに見られる1枚蓋タイプで、2次車以降とは異なるバリエーションが今も見られます。

INV006(東芝、90kVA)

クハ7602(1次車)山側
豊橋鉄道ク2806(東急クハ7505)

前述のとおり、7200系の冷房改造にあたっては初期の改造車2編成には 90kVA MG が搭載されたのですが、10年以上の中断ののち1984年に再開された折、当初は転用品の 50kVA SIV が、1986年の目蒲線 7201F 以降は新製品の 90kVA SIV が搭載されました。また、同じ1986年に登場した改造車7600系もデハ7600形(後のクハ7600形)に本タイプが搭載されています。

7600系の引退に伴い東急電鉄からは2015年に消滅しましたが、7200系の豊橋鉄道譲渡車では引き続き使用されています。

豊橋鉄道譲渡車のうち唯一 50kVA SIV を搭載していたク2806(東急クハ7505)はこの 90kVA タイプへ換装されましたが、転用品ではなく2003年に新製されたものであり、他の個体と比べて半導体スタック部分の前面蓋の網目面積が狭い特徴があります。

INV008(東芝、170kVA)

サハ8977(18-2次車)山側

8500系では、18次車の編成車(8637F)より冷房装置が後述する9000系と同じ交流 440V タイプへ変更されたことにより、 SIV も三相交流出力が従来の 200V から昇圧されました。

8500系の引退に伴い2023年に消滅しました。

INV020(東芝、120kVA)

デハ9310(3次車)山側

1987年に登場した7700系には9000系1次車の INV003 型と同仕様ながら新形式の INV020 型が搭載されました。

同年の9000系2次車以降もこのタイプが採用、9000系1次車も同時期に換装され、さらに1988年の1000系にも広まりました。

RG467 (SVH120-467)(東洋電機製造、120kVA)

クハ7914(5次車)山側

7700系はクハ7900形に SIV が搭載されましたが、そのうち2両は東急電車としては異色の東洋電機製造による SIV を搭載していました。出力容量は東芝製と同じ 120kVA ですが、当時の東洋電機 SIV としては標準的なブースター式、すなわち架線電圧の変動に対して直流電圧を一定に保つ調整機能を持つブースター部にて制御を行うことで対処する方式となっています[23]

ブースター式で三相インバータ出力部に GTO サイリスタを使用した大容量 SIV は1983年に横浜市交通局2000形にて量産が開始され、国鉄213系などで普及していたため、7700系の搭載車14両中2両のみ東洋電機製を導入したのは新方式の試験導入といった意味合いとは考えにくく不可解なところですが、いずれにせよ東急電鉄での本方式の SIV は2台のみの採用に留まり、他車種には普及しませんでした。

晩年の搭載車両はクハ7910 と 7914 でしたが、機器の製造時期(2基とも1988年5月)と車両の改造竣工日にずれがあるため、当初はクハ7907 と 7910、すなわち大井町線に投入された 7910F×6R に搭載されていたのではないかと思われます。

クハ7910 は廃車後解体、クハ7914 は養老鉄道に譲渡されたものの SIV は換装されたため現存しません。

INV029(東芝、170kVA)

サハ8398(16-2次車)山側
富山地方鉄道モハ17482(東急デハ8692)

東横線の8000系は上り方先頭車のクハ8000形奇数車に大容量 MG または SIV が搭載されていましたが、1988年より1990年にかけて二電源化のため8両編成の6号車(デハ8200形)に SIV が追設されました。9000系搭載の INV020 型と比べて出力容量が 170kVA にアップされています。

1988年の8090系20次車(8590系)登場に伴う東横線8090系の編成替えでは、6号車のサハ8390形偶数車にこのタイプが搭載され、3年後の1991年には3号車のサハ奇数車にも追設されて二電源化されました。さらに 8691F 〜 8693F の大井町線転籍では短編成化によりサハが1両のみとなってしまうため、代わりにデハ8690形に搭載されました。

1990年には8500系の初期に導入された逆導通サイリスタ SIV(BS443 型) の置き換えが開始され、7〜12次車の一部がこのタイプに換装されました。

1992年に登場した2000系も本機が搭載されましたが、9000系や7700系と同じく三相交流の出力電圧が 440V なため、8000系グループの A 型ないし B 型に対して C 型として区別されました。

富山地方鉄道に譲渡された8590系は改造が施され、半導体スタック部分の前面網目に覆いが付けられています。

INV095(東芝、170kVA)

サハ8932(10-1次車)山側

前述のとおり、8500系の逆導通サイリスタ SIV(BS443 型) の更新は、1990年の置き換え開始当初は GTO サイリスタ式の INV029 型へ交換されていましたが、1993年には主回路素子に IGBT を使用したこの INV095 型が登場し、1996年までに置き換えが完了しました。

三相交流の出力電圧は 200V です。また、従来の自然冷却に代わって、水を使用したヒートパイプによる冷却方式となっています[24]

INV127(東芝、210kVA)

デハ3262(2次車)山側

1999年に登場した新3000系には、出力容量を 210kVA に増加した SIV が搭載されました。

INV095 型と同じく素子は IGBT を使用、冷却はヒートパイプ式自冷ですが、三相交流の出力電圧は 440V となっています。

INV104(東芝、100kVA)

デハ8296(13次車)山側

大井町線の8090系5両編成は、1号車(クハ8090形)に 170kVA SIV、3号車(デハ8290形)に 10kVA SIV がそれぞれ1基ずつ搭載されていましたが、2000年に2編成が二電源化工事を施工され、デハ8296 と 8282 が 100kVA の新型に交換されました。

2013年の大井町線8090系引退により東急電鉄からは消滅しましたが、デハ8282 は秩父鉄道に譲渡され、SIV もそのまま使われています。また、デハ8296 の搭載分は 10kVA SIV を搭載していたデハ8280 の秩父鉄道譲渡に際し流用されました。その結果、秩父鉄道7800系(全4編成)は INV 153 型とともに SIV が 100kVA に統一されています。

INV146(東芝、250kVA)

クハ8031(4次車)山側

2001年に東横線クハ8031の 140kVA MG が 250kVA SIV に換装されました。翌年に登場した新5000系で本格的に採用されており、その試験的な意味合いだったものと思われます。

なお、この車両は2007年の伊豆急行への譲渡にあたり、電源装置が MG に戻されています。

INV153(東芝、100kVA)

デハ8290(17-1次車)山側

大井町線8090系の二電源化工事は2000年に2編成のみに行われ、デハ8290形の 10kVA SIV が 100kVA の INV104 型に置き換えられていましたが、2005年にはさらに2編成が進行し、デハ8298 と 8290 が交換対象になりましたが、SIV 機器は新型タイプに変更されました。

しかし二電源化工事はこれら4編成で終了し、8090系の残り6編成、および同じシステム構成だった8000系には施工されないまま2013年の引退を迎えます。

東急電鉄での活躍はわずか8年ほどでしたが、両車とも秩父鉄道に譲渡されて活躍中です。

INV205(東芝、260kVA)

デハ9322 海側
デハ9322 山側

2000系のうち 2003F は2018年に機器更新が行われ、SIV も換装されました。

従来の9000系と異なり5両編成での SIV 装置は1基のみですが、装置内にインバーターを2系統搭載して通常時は片方の系統のみが動作し、故障時には待機系統に切り替えを行う待機二重系のシステムが採用されています。装置は大型化し、車体の枕木方向全長に渡るものとなっています。

2019年には9020系に改番され、他の編成ともども大井町線に転籍しています。

CDA021(富士電機、30kVA)

十和田観光電鉄デハ7204(東急デハ7211)

7200系の補助電源装置は電動車に小容量 MG が、制御車に冷房用の大容量 MG ないし SIV が搭載されていましたが、2002年の十和田観光電鉄への譲渡に際しては電動車のみの2連ないし単行で運転されるため、従来の 7.5kVA MG(CLG339 型) を撤去して富士電機製の大容量 SIV が新設されました。

2012年の路線廃止の後、全2両が大井川鐵道に再譲渡されましたが、この SIV も引き続き使用されています。

なお同じ静岡県内では、1996年〜1997年に京王帝都電鉄(現: 京王電鉄)から譲渡された岳南電車7000形も外観がそっくりな SIV を装備しています。出力容量も同じ 30kVA とのことですが[25]、メーカーは別会社(鈴木合金)であり、OEM の可能性が考えられます。

BS483(東京芝浦電気、90kVA)

豊橋鉄道ク2810(東急クハ7551)

上田電鉄7200系のうち 7251–7551 の2両は2008年に豊橋鉄道へ再譲渡されましたが、その際クハ7551(→豊橋鉄道ク2810)に搭載されていた冷房電源用の 50kVA SIV(BS477 型) はこの 90kVA タイプへ換装されました。また、豊橋鉄道ク2807〜2809 は東急時代より 90kVA MG(HG554 型) を搭載していましたが、2009年に置き換えが行われ、やはり当 SIV に換装されています。

いずれも新製ではなく転用品で、2007年に始まった更新工事で SIV を換装した小田急電鉄8000形(4両編成)の発生品である可能性が考えられます。

RG5096(東洋電機製造)

養老鉄道ク7914(東急クハ7914)

養老鉄道7700系のうちク7901, 7914 の2両は、譲渡に際し SIV が新型タイプへ換装されました。

なお換装されたのは SIV 本体とフィルタ・トランス装置のみで、本体の隣に置かれている整流装置は東急時代のままとなっているため、下表のように3通りの組み合わせが存在する状況となっています。

養老鉄道ク7900形の SIV 関連装置バリエーション
車号 SIV 本体 整流装置
ク7901 東洋電機 RG5096(新型) 東芝 RFE013(東急時代と同じ)
ク7914 東洋電機 RG5096(新型) 東洋電機 S4341(東急時代と同じ)
その他の4両 東芝 INV020(東急時代と同じ) 東芝 RFE013(東急時代と同じ)

VVVF 主制御器 / SIV 一体型

RG660(東洋電機製造、140kVA)

デハ7715(5次車)山側

サハ7950形を改造した車両を集めて1996年に池上線に登場した 7915F は、デハ7715 に主制御器の VVVF インバーターと一体になった SIV が搭載されました。

これは3組あるインバーターのうち山側の第3バンクが SIV として動作、 SIV 故障時は海側の正面から見て右側の第2バンクを VVVF から SIV に切り替えられるもので、編成中に SIV が1基しかない短編成において冗長性を確保したものとなっています[26]。写真は山側の SIV 側を見たところで、向かって右側(下り方)が第3バンクです。

2010年に廃車され、消滅しました。

SVF041(東芝、80kVA)

デハY012 海側

こどもの国線用として2両編成で登場したY000系も、VVVF 主制御器(2群)と SIV(1群)が一体となったデュアルモードシステムが採用されました。

2012年に登場した動力車デヤ7500、電気検測車デヤ7550 にも同じシステムが採用されています。

SVF091(東芝、150kVA)

デハ1602 海側

東横線と日比谷線の相互直通運転取り止めに伴い余剰になった1000系を改造して2014年に登場した1000系1500番台では、新7000系と同じタイプのデュアルモード VVVF / SIV システムが採用されました。

基本的なシステムは新7000系と同様ですが、新5000系以降の新造車は単相交流出力の電圧が 100V とされており、新7000系もそれを踏襲している[27]のに対し、在来車改造の1000系1500番台では従来どおり 200V 出力となっている違いがあります[28]

空調制御装置

DA61T(三菱電機、20kVA)

デハ306B(2次車)

世田谷線の300系は、三菱電機製の空調制御装置が A 車、B 車のそれぞれ屋根上に設置されています。

冷暖房装置などとの関係で交流出力電圧は 200V です[29]

脚注