東急電鉄の車両に搭載されている電動発電機(MG)、静止形インバータ(SIV)のバリエーションを紹介します。
| 形式 | メーカー | 出力容量 | 搭載車両 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| CLG-319 | 東芝・MG | 5.5kVA | デヤ7290 | 転用品 |
| CLG-339 | 東芝・MG | 7.5kVA | デヤ7290 | 転用品 |
| CLG-350 | 東芝・MG | 140kVA | クハ8090形(12~13次車) | |
| BS-33 | 東芝・SIV | 10kVA | 8000系・8500系・8090系(一部) | |
| BS-477 | 東芝・SIV | 50kVA | デヤ7200 | 転用品 |
| BS-482 | 東芝・SIV | 170kVA | 8000系・8500系・8090系(1次車と13~17次車の一部) | |
| INV-006 | 東芝・SIV | 90kVA | 7600系 | |
| INV-008 | 東芝・SIV | 170kVA | 8500系(18~19次車) | |
| INV-009 | 東芝・SIV | 2kVA | デハ8638~8641 | 5+5分割編成用 |
| INV-020 | 東芝・SIV | 120kVA | 7700系、9000系、1000系 | |
| INV-029 | 東芝・SIV | 170kVA | 8000系・8500系・8090系(いずれも一部)、2000系 | |
| INV-095 | 東芝・SIV | 170kVA | 8500系(9~12次車の一部) | |
| INV-104 | 東芝・SIV | 100kVA | デハ8296, 8282 | 10kVA-SIVの置き換え |
| INV-127 | 東芝・SIV | 210kVA | 新3000系 | |
| INV-146 | 東芝・SIV | 250kVA | クハ8031 | 新5000系で本格採用 |
| INV-153 | 東芝・SIV | 100kVA | デハ8298, 8290 | 10kVA-SIVの置き換え |
| SVH-120 | 東洋・SIV | 120kVA | クハ7910, 7914 | |
| VVVF一体型(デハ7715) | 東洋・SIV | 140kVA | デハ7715 | |
| VVVF一体型(Y000系) | 東芝・SIV | 80kVA | Y000系 | |
| DA-61T | 三菱 | 20kVA | 300系 | 屋根上搭載 |
東芝、5.5kVA-MG
デヤ7290は2台のMGを搭載します。2位寄りには旧3000形グループの付随車より転用されたCLG-319形が搭載されており、たいへん貴重な存在となっています。
東芝、7.5kVA-MG
デヤ7290の1位寄りに在るのがCLG-339系で、旧デハ7200形に標準搭載されていたものです。
東急では最後の1台となってしまいましたが、豊橋鉄道などの譲渡先では多くが活躍しています。
東芝、10kVA-SIV
1960年代に、従来のMGに代わり静止形インバータ(SIV)が台頭しました。量産型SIVを最初に採用したのは、東京都の旧6000系(1968年)ですが、東急でも翌年に登場した旧8000系に東京芝浦電気(当時)が開発した10kVAのSIVが搭載されました。
現在では大井町線デハ8290形の一部に残っています。
東芝、2kVA-SIV
8500系18~19次車のうち、5+5両に分割できる編成で新造された8638F~8641Fは、分割時に編成中のSIVが1台になってしまうのを防ぐため、上り向き先頭車のデハ8600形に小容量SIVが搭載されています。
東芝、140kVA-MG
東急では8000系2次車のうち8019Fより冷房装置が搭載されましたが、当時は大容量SIVが開発されておらず、冷房電源はMGとされました。
MGは3相200Vを出力する140KVAタイプで、これはクハ8000形の上り向き奇数車とサハ8900形のうち6次車までに搭載され、後にクハ8090形のうち12~13次車の上り向き奇数車にも搭載されました。
現在では廃車が進み、クハ8093, 8095の2両に残るのみとなってしまいましたが、伊豆急行などの譲渡先では多くが活躍しています。
東芝、50kVA-SIV
冷房電源に対応した大容量3相出力のSIVは、回路の入力に使用する電圧を架線電圧から降下させる際にチョッパを使用したチョッパインバータが開発され、8029Fでの試験を経て170kVAタイプがサハ8900形の7-2次車から採用されました。
一方、GTOサイリスタを使用してインバータを直接架線電圧に接続し、チョッパ部を省略した直列分圧形のSIVが登場し、サハ8300形やクハ8090形下り向き偶数車に搭載されました。
後に改造や編成替えにより、いずれも撤去されましたが、7200系冷改車の一部や水間鉄道デハ7150形などに転用されています。現在はデヤ7200が東急で最後の搭載車となっているほか、上田電鉄クハ7500形の全車両と水間鉄道デハ1006に残っています。
東芝、170kVA-SIV
8000系グループ13次車から(クハ8090形は16次車から)はGTOサイリスタ式に変更されました。
冷却方式は従来と同じく自然冷却ながら、冷却フィンが設けられたため、インバータ部の前面蓋は網目状となり、これがしばらくの間スタンダートとなりました。
後に1次車の冷改時にもこのタイプが搭載されて、旧クハ8000形の上り向き奇数車に搭載されました。
東芝、90kVA
7600系はデハ7600形(現在のクハ7600形)に90kVAのSIVを搭載します。旧クハ7500形の一部もこれを搭載しており、豊橋鉄道譲渡後も引き続き使用されています。
東芝、170kVA-SIV
8500系では、18次車の編成車より冷房装置が後述する9000系と同じ440Vタイプへ変更されたことにより、SIVも出力電圧が従来の200Vから昇圧されました。
東芝、120kVA
1986年に登場した9000系では、空気圧縮機が誘導電動機駆動となったことにより、出力電圧が200Vから440Vに変更され、冷房装置なども440V化されました。現在搭載されているINV-020形は2次車から導入されたもので、1次車も換装されています。
7700系、1000系もこのタイプが搭載されています。
東洋、120kVA-SIV
7700系のうちクハ7910, 7914は、異色の東洋製SIVを搭載しています。容量は他車と同じ120kVAです。
東芝、170kVA-SIV
東横線の旧8000系は上り方先頭車のクハ8000形奇数車に大容量MGまたはSIVが搭載されていましたが、二電源化のため8両編成の6号車(デハ8200形)にSIVが追設されました。容量は9000系搭載のINV-020形と比べて170kVAにアップされています。
1988年の8090系20次車(8590系)登場に伴う8090系の編成替えでは、6号車のサハ8390形にもこのタイプが搭載され、3年後(1991年)には3号車にも追設されて二電源化されました。さらに一部の大井町線転籍では、デハ8690形にも搭載されています。
1990年には8500系の初期のSIV更新が開始され、7~12次車の一部がこのタイプになりました。
1992年に登場した2000系もこのタイプが搭載されています。
東芝、170kVA-SIV
1990年に開始された8500系SIV更新は当初はGTOサイリスタ式のINV-029形へ交換されていましたが、1993年からは主回路素子にIGBTを使用したINV-095形となり、1996年までに置き換えが完了しました。
出力電圧は200Vです。また、従来の自然冷却に代わって、水を使用したヒートパイプによる冷却方式となっています。
東芝、100kVA-SIV
大井町線の8090系5両編成には大容量電源装置が1台しか搭載されていませんでしたが、2000年にデハ8296、デハ8282の10kVA-SIVが100kVAの新型に交換されました。
東芝、210kVA-SIV
1999年に登場した新3000系では、容量を210kVAに増加したSIVが搭載されました。
INV-095形と同じく素子はIGBTを使用、冷却はヒートパイプ式自冷ですが、出力電圧は440Vとなっています。
東芝、250kVA-SIV
2001年に、クハ8031のMGが250kVA-SIVに換装されました。翌年に登場した新5000系などで本格的に採用されています。
なお、この車両は伊豆急行への譲渡にあたり、電源装置がMGに戻されています。
東芝、100kVA-SIV
2005年には大井町線8090系の二電源化工事が再び進められ、デハ8298、デハ8290の10kVA-SIVが100kVAへ交換されました。
東洋、140kVA-SIV
サハ7950形を改造した車両を集めて1996年に池上線に登場した7915-7815-7715の3両編成は、デハ7715に主制御器のVVVFインバータと一体になったSIVが搭載されました。
これは3組あるインバータのうち山側の第3バンクがSIVとして動作、SIV故障時は海側の正面から見て右側の第2バンクをVVVFからSIVに切り替えられるもので、短編成でSIVが1台しかない編成において、故障時の冗長性を確保したものとなっています。
写真は山側のSIV側を見たところで、右側が第3バンクです。
東芝、80kVA-SIV
こどもの国線用として2両編成で登場したY000系も、主制御器とSIVが一体となったシステムが採用されました。
三菱、20kVA-SIV
世田谷線の300系は、三菱製の空調制御装置が屋根上に設置されています。冷暖房装置などの関係で出力電圧は200Vです。