「ルパン三世のテーマ」と叛逆の物語「まだダメよ」の共通性

2012年の発売からだいぶ時間が経ってしまいましたが、「ルパン三世 Master File」を購入しました。

井上真樹夫さん、増山江威子さん、納谷悟朗さんにとって最後のルパン作品となる新作短編「ルパン一家勢揃い」や、幻の「ルパン8世」など貴重な映像が盛り込まれた作品ですが、その中で大野雄二さん、山下毅雄さんに焦点を当てた「音楽誕生」のインタビュー内容が興味深かったので紹介します。

  1. 音楽誕生
  2. 叛逆の物語における「まだダメよ」

音楽誕生

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前半は大野雄二さんによる「ルパン三世のテーマ」を中心としたインタビューで、その中で大野さんはメロディの汎用性について語られました。「ルパン三世のテーマ」はオープニングでは明るいテンポですが、本編中のアレンジされたBGMでは時に寂しいシーンで使われることもあります。そのため、「どんなアレンジになってもOKな感じのメロディライン」「メロディは(流行りモノでなく)古くさい作り方で作った」として、普遍性を重視していると仰っていました。

後半は、ファーストシリーズの音楽を担当された故・山下毅雄さんについて、御子息の山下透さん、演出のおおすみ正秋監督、歌手のチャーリー・コーセイさんによるインタビューでしたが、こちらでも山下透さんの口から「単調なメロディ」という視点が語られました。

叛逆の物語における「まだダメよ」

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これらを聞いて思い浮かんだのが、まどか☆マギカ「叛逆の物語」のBGMです。冒頭から流れる「まだダメよ」のメロディは各所で使われ、嫌でも視聴者の耳に残るものとなっています。

まどマギは前後編と新編で全体的な印象がだいぶ異なりますが、BGMの違いも要因の一つではないかと思っていまして、叛逆は「まだダメよ」や「we're here for you」など、話が切り替わる箇所や重要なシーンで流れるBGMが繰り返し流れる単純パターンなのですよね。

だからこそ耳に残り、より作品を印象づける役割に一役買っているんじゃないかと思った次第です。